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by Sofuca SPORTS RECORD
& STORIES

FOOTBALL / 試合の見方が変わる戦術入門

ビルドアップとは?
なぜ自陣ゴール前でパスをつなぐのか

「そこで取られたら、失点するのに。」

GKにボールが戻る。相手FWが走り出す。観客席からは「大きく蹴って!」と言いたくなる。そのとき前方で、相手から離れた味方が生まれているかもしれません。蹴る前の景色と、届いた後の一手を見てみましょう。

まず、30秒で

相手の守備を越えて、味方が使える時間と場所を作る

ビルドアップは、後方から攻撃を組み立てること。GKもパスに加わると、相手に「誰を追うか」を選ばせやすくなります。寄せてきた相手の脇や背後を使い、味方が前へ進める状況を狙います。

短いパスは、その方法の一つ。相手が来なければ運ぶ。近くが閉じられたら長く送る。前へ通らなければ戻して選び直す。「つないだ本数」より「次に何ができるか」が大切です。

こんな場面から

GKへ寄せた相手の後ろでCBが空く。でも、そのCBから先の出口がなければ、ボールはまた戻ってきます。最初の一手と、その次をセットで見ます。

GKへのバックパスを見ると不安になる観戦者と、後ろから前へ運ぶときの自分の仕事を知りたい選手・指導者に。

フォーメーションを知らなくても読めます。図ではCBは中央のDF、SBは左右のDF、6番はボランチ、8番はその前の中盤、9番は中央のFWです。番号は役割の目印で、背番号とは別です。

パスをもらう場所の基本を先に読む

01 / ゴール前の駆け引き

前へ進みたいのに、なぜ後ろへ戻す?

前方の味方全員が相手に捕まっているなら、急いで前へ出すほどボールを失いやすくなります。そこで一度GKへ戻し、相手にもう一度守る場所を選ばせます。

たとえばGKとCB2人に対し、相手FWが2人なら後方は3対2。相手FWがGKへ出れば、今まで見ていたCBとの距離が変わります。相手が中央のパスも守ろうとすれば、外側に道が開くことがあります。

一人余っていることと、その人へボールが届くことは別です。相手はパスコースを消しながら走り、中盤の選手も前へ出てきます。GKを使うのは答えではなく、相手にもう一度選ばせるための一手です。

BEFORE 相手は左右のCBを狙う

相手の前2人が、左右のCBへの道を狙っている 下が自分のゴール、攻撃は上向き。丸は味方8人、四角は相手6人で、説明に関係する選手のみ表示。黄色の線はボールの経路で、点線はドリブル。白い破線は選手の移動。相手の位置が動く前の比較用配置。距離・人数は一つの模式例で、特定の試合の再現ではありません。 攻撃する方向 ↑ 自分たちのゴール
GKが持ち、前の2人は左右のCBへのパスを狙っています。中央の6番へ通す道も、相手の立ち位置で制限されます。

AFTER 相手が動き、右側の道が開く

相手がGKと中央へ寄り、右CBから外へ進める 下が自分のゴール、攻撃は上向き。丸は味方8人、四角は相手6人で、説明に関係する選手のみ表示。黄色の線はボールの経路で、点線はドリブル。白い破線は選手の移動。相手がGKと中央へ寄り、右CBから外へ進める。距離・人数は一つの模式例で、特定の試合の再現ではありません。 攻撃する方向 ↑ 自分たちのゴール
一人がGKへ、もう一人が中央へ寄った例。右CBから右SBへ進む道ができます。相手の別の動きでは、別の出口が必要です。

下が自分のゴール、上へ攻撃。○は味方、□は相手。黄色はボールの経路、白い破線は選手の移動です。関係する味方8人・相手6人だけを示した模式図で、距離や配置は特定の試合の再現ではありません。

02 / 相手を見て選ぶ

同じ後方の配置でも、答えは変わる

近くに出す、自分で運ぶ、前線へ送る、戻してやり直す。相手の出方を変えて、次の一手を比べてください。各図は独立した場面で、必ずこの順番に進むわけではありません。迷ったら4つを並べて見比べられます。

相手がGKと中央へ寄り、右CBから外へ進める 下が自分のゴール、攻撃は上向き。丸は味方8人、四角は相手6人で、説明に関係する選手のみ表示。黄色の線はボールの経路で、点線はドリブル。白い破線は選手の移動。相手がGKと中央へ寄り、右CBから外へ進める。距離・人数は一つの模式例で、特定の試合の再現ではありません。 攻撃する方向 ↑ 自分たちのゴール
○ 味方 □ 相手 黄色:ボールの経路(点線はドリブル)
白い破線:選手の移動。関係する選手だけを描いた模式図です。

SCENE 01 / 短くつなぐ

相手がGKへ出た。右CBへの道が開く

相手の前2人のうち、一人がGKへ寄せ、もう一人は中央を絞った場面。右CBは受ける前に右SBまで見ています。

まず見る
人数だけでなく、右CBへ通る道と、その選手が次に使える味方を見る。
選ぶ一手
GKから右CBへ。右CBは相手が戻る前に、外の右SBへ前進させる。GKも返しを受けられる場所へ動き直す。
引き受ける危険
右CBへ相手が先回りしたら、この道は閉じる。空いていた瞬間を逃したら、同じパスを無理に出さない。
相手が変えたら
右SBまで追われたら、中央の6番や逆側を再確認する。右CBに渡すこと自体を成功にしない。
右CBの前が空き、運んで相手を動かせる 下が自分のゴール、攻撃は上向き。丸は味方8人、四角は相手6人で、説明に関係する選手のみ表示。黄色の線はボールの経路で、点線はドリブル。白い破線は選手の移動。右CBの前が空き、運んで相手を動かせる。距離・人数は一つの模式例で、特定の試合の再現ではありません。 攻撃する方向 ↑ 自分たちのゴール
○ 味方 □ 相手 黄色:ボールの経路(点線はドリブル)
白い破線:選手の移動。関係する選手だけを描いた模式図です。

SCENE 02 / 自分で運ぶ

相手がパス先を守る。CBの前に道がある

右CBが持ち、相手は中央の6番や8番へのパスを優先して消しています。ボールへ出てくる選手はいません。

まず見る
自分の前に、次のタッチを置ける空間があるか。出てきそうな相手と、後ろの味方も見る。
選ぶ一手
右CBが数歩運んで相手に判断を迫る。相手が出てきたら、その背後や外へ渡す。来なければ前進を続けられる。
引き受ける危険
運び続けて囲まれないこと。もう一人のCBと6番は同時に前へ出ず、奪われた後の中央を支える。
相手が変えたら
ファーストタッチが乱れたら、予定した前進よりボールを守ることを優先。戻す経路があるうちに選び直す。
近い味方は捕まり、9番への長いボールと8番の支えを選ぶ 下が自分のゴール、攻撃は上向き。丸は味方8人、四角は相手6人で、説明に関係する選手のみ表示。黄色の線はボールの経路で、点線はドリブル。白い破線は選手の移動。近い味方は捕まり、9番への長いボールと8番の支えを選ぶ。距離・人数は一つの模式例で、特定の試合の再現ではありません。 攻撃する方向 ↑ 自分たちのゴール
○ 味方 □ 相手 黄色:ボールの経路(点線はドリブル)
白い破線:選手の移動。関係する選手だけを描いた模式図です。

SCENE 03 / 長く蹴る

近くは捕まった。前線とこぼれ球に狙いを置く

相手がGK・CB・中盤へ強く寄せてきます。前線の9番付近へ届くキックがあり、8番もこぼれ球へ動ける位置です。

まず見る
足元へのパスだけを探さず、前線の相手との距離、落下点、拾う味方まで確認する。
選ぶ一手
相手の前線を越えるボールを9番付近へ。9番が収めるか競り、8番は落下点の近くへ。後方も押し上げて距離を縮める。
引き受ける危険
長く蹴れば必ず保持できるわけではない。競り負けたときの中央・背後を残し、全員で落下点へ集まらない。
相手が変えたら
競るよりサイドの背後へ走る方が得意なら、走者と空間を狙う。危険が迫り狙う余裕がなければ、まずクリアも選ぶ。
右側を閉じられたので、GKを経由して左CBへ戻す 下が自分のゴール、攻撃は上向き。丸は味方8人、四角は相手6人で、説明に関係する選手のみ表示。黄色の線はボールの経路で、点線はドリブル。白い破線は選手の移動。右側を閉じられたので、GKを経由して左CBへ戻す。距離・人数は一つの模式例で、特定の試合の再現ではありません。 攻撃する方向 ↑ 自分たちのゴール
○ 味方 □ 相手 黄色:ボールの経路(点線はドリブル)
白い破線:選手の移動。関係する選手だけを描いた模式図です。

SCENE 04 / 戻してやり直す

右の出口が閉じた。GKを経由して左へ

右CBには相手が近づき、右SBへも先回りされています。GKへのパスは通り、左CBが逆側で支えています。

まず見る
GKへの道とGK自身の圧力を確認する。後ろにいるから安全、とは決めつけない。
選ぶ一手
右CBからGKへ戻し、左CBへ展開する。右側の選手は止まらず、相手の移動に合わせて中央や前の受け口を作り直す。
引き受ける危険
戻すだけでは相手は困らない。逆側も閉じられたら、運ぶ・前線へ送るなど別の選択が必要になる。
相手が変えたら
GKまで捕まっているなら危険な横断パスを強行しない。相手の背後やタッチライン方向への逃がし方を判断する。

03 / 一つの攻撃を、途中で選び直す

右へ出すはずだった攻撃が、左から進むまで

今度は同じ選手を6コマで追います。相手がこちらの出口をふさいだら、どう変えるか。ボールだけでなく、左CBと相手Dを追うと、最後に道ができる理由が見えてきます。

1コマ目:右CBから戻す。相手はGKへ出る 右CBの前を閉じていた相手Aが、戻しに反応してGKの方へ動き始めます。 右CB→GK。GKは受ける前に右側も見ておき、Aが出てきた後の出口を確かめる。 左CBは逆側に残る。6番は中央の相手Bと重ならない角度を探す。 下が自陣ゴール、上へ攻撃。図は説明用で距離・時間の縮尺はありません。 ↑ 攻撃方向 ABCDEF GK左CB右CB左SB右SB689
○ 味方8人 / □ 相手6人(A〜F)
黄色い選手から矢印へパス。点線は運ぶ道。関係する選手のみ表示。

01 / 06

右CBから戻す。相手はGKへ出る

右CBの前を閉じていた相手Aが、戻しに反応してGKの方へ動き始めます。

今の一手
右CB→GK。GKは受ける前に右側も見ておき、Aが出てきた後の出口を確かめる。
ボールのない選手
左CBは逆側に残る。6番は中央の相手Bと重ならない角度を探す。
この条件なら、中止
戻す道をAに切られていたら、この最初の一本を強行しない。後方のパスも奪われます。
2コマ目:AがGKへ寄る。右CBへ返す Aがゴール側へ近づいた分、右CBとの間隔が開きます。Bは中央を守ったままです。 GK→右CB。右CBは最初に見ていた右SBへの道が、まだ使えるかを見直す。 GKはパス後も返しの角度を整える。左CBは右に寄りすぎず、逆側の出口で待つ。 下が自陣ゴール、上へ攻撃。図は説明用で距離・時間の縮尺はありません。 ↑ 攻撃方向 ABCDEF GK左CB右CB左SB右SB689
○ 味方8人 / □ 相手6人(A〜F)
黄色い選手から矢印へパス。点線は運ぶ道。関係する選手のみ表示。

02 / 06

AがGKへ寄る。右CBへ返す

Aがゴール側へ近づいた分、右CBとの間隔が開きます。Bは中央を守ったままです。

今の一手
GK→右CB。右CBは最初に見ていた右SBへの道が、まだ使えるかを見直す。
ボールのない選手
GKはパス後も返しの角度を整える。左CBは右に寄りすぎず、逆側の出口で待つ。
この条件なら、中止
右CBが前を見られず、戻しも切られるなら、空いて見えても安全な受け手とは限りません。
3コマ目:右SBを待たれていた。予定を変える 相手Cが右SBへの道へ下がり、Aも右CBへ向きを変えました。右へ出す予定はここで中止です。 右CB→GK。GKの方へ通る道が残り、受ける余裕もあるうちに返す。 6番は中央に残り、GKは少し前・左へ移って返しを受ける。左CBは逆展開に備える。 下が自陣ゴール、上へ攻撃。図は説明用で距離・時間の縮尺はありません。 ↑ 攻撃方向 ABCDEF GK左CB右CB左SB右SB689
○ 味方8人 / □ 相手6人(A〜F)
黄色い選手から矢印へパス。点線は運ぶ道。関係する選手のみ表示。

03 / 06

右SBを待たれていた。予定を変える

相手Cが右SBへの道へ下がり、Aも右CBへ向きを変えました。右へ出す予定はここで中止です。

今の一手
右CB→GK。GKの方へ通る道が残り、受ける余裕もあるうちに返す。
ボールのない選手
6番は中央に残り、GKは少し前・左へ移って返しを受ける。左CBは逆展開に備える。
この条件なら、中止
GKにも別の相手が到着するなら、図の戻しは使えません。前線や外への別の出口を選び直します。
4コマ目:相手が右へ寄った分、左へ渡す 相手Dは中央寄り。GKから左CBへの道には、まだ追いつけていません。 GK→左CB。右から左へ変えることより、左CBが受けた後の前方が空いていることを見る。 右CBは逆展開を見送らず、中央寄りへ戻り始める。6番は運ぶ人の後ろを支える準備。 下が自陣ゴール、上へ攻撃。図は説明用で距離・時間の縮尺はありません。 ↑ 攻撃方向 ABCDEF GK左CB右CB左SB右SB689
○ 味方8人 / □ 相手6人(A〜F)
黄色い選手から矢印へパス。点線は運ぶ道。関係する選手のみ表示。

04 / 06

相手が右へ寄った分、左へ渡す

相手Dは中央寄り。GKから左CBへの道には、まだ追いつけていません。

今の一手
GK→左CB。右から左へ変えることより、左CBが受けた後の前方が空いていることを見る。
ボールのない選手
右CBは逆展開を見送らず、中央寄りへ戻り始める。6番は運ぶ人の後ろを支える準備。
この条件なら、中止
左CBの前にも相手が着いていれば、『逆へ振れば必ず進める』わけではありません。
5コマ目:左CBの前が空く。パスを待たず運ぶ 相手Dは8番側も気にして、まだボールへ出ていません。左CBに持ち出す余地があります。 左CBが前へ運ぶ。次の図では、この動きを見たDが出てくるものとして進めます。 6番と右CBは同時に上がらず、中央と背後に残る。左SBと8番は同じ道へ下がらない。 下が自陣ゴール、上へ攻撃。図は説明用で距離・時間の縮尺はありません。 ↑ 攻撃方向 ABCDEF GK左CB右CB左SB右SB689
○ 味方8人 / □ 相手6人(A〜F)
黄色い選手から矢印へパス。点線は運ぶ道。関係する選手のみ表示。

05 / 06

左CBの前が空く。パスを待たず運ぶ

相手Dは8番側も気にして、まだボールへ出ていません。左CBに持ち出す余地があります。

今の一手
左CBが前へ運ぶ。次の図では、この動きを見たDが出てくるものとして進めます。
ボールのない選手
6番と右CBは同時に上がらず、中央と背後に残る。左SBと8番は同じ道へ下がらない。
この条件なら、中止
一歩先に相手が届く、タッチが乱れる、後方が空く。どれかが見えたら、運び続ける予定を変えます。
6コマ目:Dが出る。その脇から8番へ Dは運んだ左CBへ寄りました。Bとの間へパスが通り、8番も先に周囲を見ている例です。 左CB→8番。通したところで終わらず、8番が前を向くか、9番や左SBへつなぐかを見る。 6番は後ろの返し、右CBは中央と背後を管理。左CBもパス後の支えへ動きます。 下が自陣ゴール、上へ攻撃。図は説明用で距離・時間の縮尺はありません。 ↑ 攻撃方向 ABCDEF GK左CB右CB左SB右SB689
○ 味方8人 / □ 相手6人(A〜F)
黄色い選手から矢印へパス。点線は運ぶ道。関係する選手のみ表示。

06 / 06

Dが出る。その脇から8番へ

Dは運んだ左CBへ寄りました。Bとの間へパスが通り、8番も先に周囲を見ている例です。

今の一手
左CB→8番。通したところで終わらず、8番が前を向くか、9番や左SBへつなぐかを見る。
ボールのない選手
6番は後ろの返し、右CBは中央と背後を管理。左CBもパス後の支えへ動きます。
この条件なら、中止
8番の背中の相手が先回りしたら、この縦パスも中止。6番へ戻せる角度など、残った道を選びます。

ZEROのオリジナル模式例です。唯一の成功ルートでも、公式映像の再現でもありません。各コマは連続する局面を省略して示し、矢印はそのコマで選ぶ一手です。相手が別の守り方をすれば、途中から別の攻撃になります。

最後の縦パスを作ったのは、左CBだけではない。右側で相手を動かした往復、逆側に残った選手、運ぶ人の後ろを守った6番と右CB。触った回数に表れない準備も、一緒に見てください。

04 / 最初のパスの、その先

「見える味方」と「攻撃を進められる味方」は違う

GKからCBへ通った。けれどCBは背中向きで、外も中央もふさがれ、結局またGKへ戻す。最初のパスだけを見ると成功でも、攻撃の状況はほとんど変わっていません。

受け手には三つの助けが必要です。受ける前に周りを見ること、次へ出せる体の向きを作ること、受けた後に使える味方がいること。出し手も、相手が詰める速さや味方の得意な足を見て、届かせ方を選びます。

6番へ直接通らないなら、3人目を使う

「3人目」は誰か特別な選手ではなく、組み合わせの中で最後に受ける人です。次の例では、CBが1人目、8番が2人目、6番が3人目。出し手を変え、直接通せなかった味方へ届けます。

CB → 8番 → 6番。同じ3人を、ボールの出発点を変えながら追います。

  1. ① CBから6番へは、通しにくい 相手FWがCBと6番の間に立つ。6番は見えていても、直接の道は相手の前を通ります。 上へ攻撃。丸は味方、四角は相手。3人と相手2人の関係だけを拡大した模式図です。 攻撃する方向 ↑
    ① CBから6番へは、通しにくい

    相手FWがCBと6番の間に立つ。6番は見えていても、直接の道は相手の前を通ります。

  2. ② CBは8番へ。6番も横へ動く CBは別の角度にいる8番を使う。その間に6番は横へずれ、8番から受けられる場所を作ります。 上へ攻撃。丸は味方、四角は相手。3人と相手2人の関係だけを拡大した模式図です。 攻撃する方向 ↑
    ② CBは8番へ。6番も横へ動く

    CBは別の角度にいる8番を使う。その間に6番は横へずれ、8番から受けられる場所を作ります。

  3. ③ 8番が落とし、6番が前を向く 8番は反転せず6番へ。出し手が変わり、相手FWを経由しない道ができました。6番は受ける前に次を見ます。 上へ攻撃。丸は味方、四角は相手。3人と相手2人の関係だけを拡大した模式図です。 攻撃する方向 ↑
    ③ 8番が落とし、6番が前を向く

    8番は反転せず6番へ。出し手が変わり、相手FWを経由しない道ができました。6番は受ける前に次を見ます。

○ 味方/□ 相手。黄色はパス、白い矢印は6番の移動、薄赤の破線は直接通しにくい道。これは配置の一例で、公式映像の再現ではありません。

この形でも通らないとき:8番への道まで相手が消したり、別の相手が6番を追ったりすれば、組み合わせは成立しません。8番が無理に反転するよりCBへ返すなど、相手の反応で選び直します。

8番は必ず反転する必要はなく、相手を背負ったまま一度で渡す役にもなります。ワンツーなら最初に出した本人が受け直しますが、この例では別の味方である6番が受けるのが違いです。

FIFAの指導資料でも、直接空いた選手へ渡せないときの3人目と、その後の前進を扱っています。FIFAの指導資料で確かめる ↗

同じ相手へ出しても、渡し方で次の一手が消える

右から相手が迫るGKへ、右足元に弱いパスを返したらどうなるか。GKは相手に向かって触るか、もう一度ボールを置き直すことになるかもしれません。「人に届くパス」と「次へ進めるパス」は違います。

受け手が次に使いたい側、相手が迫る側、得意な足、届くまでの時間を合わせます。いつも遠い足へ、いつもワンタッチで、という固定の正解はありません。出し手は受け手の状況を、受け手は来る前の周囲と来るボールを確認します。

FIFAのGK指導資料も、周囲確認、パスの角度、相手の圧力から離す最初のタッチを扱っています。GKの準備を公式資料で見る ↗

05 / 自分なら何をする?

GKの足元だけで決まらない。11人の仕事

ここでは4-3-3を例に、11人の仕事を6組で整理します。WGはウイング。6番・8番・9番は役割の呼び方です。全員が同じボールへ近づくと、かえって前が詰まります。

GK

出した後も、もう一度受け口になる

相手がどちらから来るかを見て、左右に出せる体の向きと距離を作る。味方の背後が見える位置から『戻せる』『右が空く』と具体的に伝える。

困りやすい動き:味方へのパス後も同じ場所で見送る。戻されたボールに相手と一緒に近づかれる。

CB

広がり、受ける前に次の出口を探す

右CB・左CBが幅を取り、相手一人に二人とも管理されにくくする。受ける瞬間だけでなく、運んだ先と逆側へ戻す道まで見ておく。

困りやすい動き:二人ともゴールの正面へ寄り、相手の一直線のプレスで閉じられる。

SB

外の出口と、戻れる距離を両立する

サイドバックは相手の横や背後へ動き、CBから斜めに受けられる角度を作る。高く立つ、低く助ける、内側へ入る選択は周囲の分担で変わる。

困りやすい動き:CBと同じ縦線に固定され、パスを受けてもタッチライン際で前も後ろもふさがる。

6番

相手FWの影から、斜めに顔を出す

ボランチは出し手・相手・自分が一直線にならない場所を探す。背中に相手がいるなら、無理に反転せず別の味方へ落とすことも仕事。

困りやすい動き:GKから見えているだけでフリーだと思い込み、背中の相手を確かめずに回る。

8番

低い支えの、その先に出口を残す

インサイドハーフは6番と一緒に下がりすぎず、相手中盤の脇や背後で受ける。長いボールでは、前線の競り合いから落ちるボールへ近づく。

困りやすい動き:全員で助けに下がり、最初のパスは通っても前へ渡す相手がいなくなる。

WG・9番

前に残ることでも味方を助ける

ウイングは幅、センターフォワードは奥行きを保ち、相手DFを下げる選択肢になる。近づく役と背後へ走る役を分け、長い出口も残す。

困りやすい動き:ボールを触りたくて全員が近づき、相手DFまで高い位置へ押し上げさせる。

06 / 自分のチームに置き換える

4-4-2、4-3-3、3バック。何を変え、何を残す?

数字を変えれば解決するわけではありません。ここでは11人制の基本配置から、後方の受け口・一段先の人・失ったときの備えを比べます。相手の人数と寄せ方によって、別の分担も必要です。

4-4-2:中央の2人が、同時に迎えに行かない

GK+CB2人で相手FW2人を動かし、中盤の一人が斜めに受け、もう一人が一段先を残す例です。2トップも、近くへ落ちる人と背後へ走る人を分ければ、長短両方の出口になります。

自分が中央MFなら
相方が下がったら同じ高さへ並ばず、相手中盤の脇や背後を探す。前へ出るときは、相方が中央を守れるかも見る。
困る場面と修正
相手が中央を3人で守り、2人とも捕まるなら、FWの落としやサイド経由も使う。MFを全員低くして人数を足すと、次の出口まで消えます。
4-4-2の役割と相手別の戦い方へ →

4-3-3:6番を助けるために、8番まで下がりすぎない

6番が相手FWの影に隠れたら、斜めにずれる、8番を経由する、CBが運ぶ候補があります。6番がCBの間へ下がる方法もありますが、その先を誰が受けるかまでが一つの変更です。

自分が8番なら
6番が下がったとき、片方の8番が受け口を補い、もう片方は一段先へ。SBが内側を支える約束なら、それと重ならない場所を選ぶ。
困る場面と修正
6番・8番が全員ゴール側へ集まれば、前線3人までの距離が開きます。「助ける人」と「前へ残る人」を分け直します。
4-3-3が攻守で形を変える仕組みへ →

3バック:余ったCBが運べるか、その後ろは誰か

CB3人に相手FW2人なら、横の受け渡しで空くCBを探せます。中央CBが運ぶか、外CBが前進するかは相手の角度次第。WB(ウイングバック)が高く立てば前の出口になりますが、低く助ける場面もあります。

自分が外CBなら
前が空いていても、WBと同じ道へ突っ込まない。自分が運ぶなら、残るCBと中盤が中央・背後を守れるかを確認する。
困る場面と修正
相手が前3人でCBに出れば、「CBが一人余る」は崩れます。GKで角度を増やす、中盤を経由する、前線へ越す道を比べます。
3-4-3で幅と後方を分担する →

07 / 相手の側に立ってみる

奪う側も、「わざと出させる」を考えている

守備側は、目の前のボールを追うだけではありません。中央を消して外へ出させ、タッチライン際で囲む。GKへの戻しを合図に、全体で前へ出る。短くつなぐ側が相手を誘うように、守る側もパスを誘うことがあります。

以下は一つの連係例です。FWだけが走り、後ろがついてこなければ、空いた中盤を使われます。奪う場所と、そこへ追い込む役割を共有する必要があります。

  1. 1

    FWが中央の道を隠しながら寄せる

    CBへ一直線に走るのではなく、6番への道を消す角度を選ぶ。外へ出させるのか、戻させるのかを決める。

  2. 2

    外へ出た瞬間に、次の選手が出る

    ボール側の中盤がSBへ寄せる。中央の味方は内側への戻しを管理し、逆側も横へずれて間隔を保つ。

  3. 3

    最終ラインは、長い出口にも備える

    前が寄せた分だけ、後ろも間隔を縮める。GKが前を向いて長く蹴れるなら、背後の走者を置き去りにしない。

相手の「形」より、いま何を守っているか

以下はZEROが整理した条件別の考え方です。相手の対抗も一手先まで入れます。同じ4-4-2でも、全員が人を追う守備と、中央を閉じて待つ守備では答えが変わります。

中央を消して外で囲む相手

見える合図
FWは6番への道を隠し、外のMFはSBへ出る準備。SBが空いているように見えても、パスを待たれている。
こちらの一手 → 相手の対抗
GKへ戻して逆へ送る。すると相手も横へずれ、逆SBへ寄せる選手を準備する。
そこで選び直す
逆SBまで同じように追われるなら、CBが運べる中央寄りの道や、出てきたMFの背後を確認。逆展開を繰り返すだけにはしない。
中止条件と備え
GKへの道まで切られたら、戻す約束を中止。前線への出口を見つつ、逆CBと中盤は中央を空けない。

受け手をどこまでも追う相手

見える合図
6番やSBが場所を変えても、同じ相手が付いてくる。人について守る傾向が見える。
こちらの一手 → 相手の対抗
一人が近づき、その人が空けた場所へ別の味方が走る。相手は付いていくか、マークを受け渡すかを選ぶ。
そこで選び直す
相手が受け渡して空間を閉じたら、その走者へ決め打ちしない。GKを使った別角度や、前線が走れる背後への配球も候補になる。
中止条件と備え
連係がそろわず近い味方が全員動いたら危険。ボールの後ろの受け口を一人残し、長く蹴る場合も拾う人と守る人を分ける。

自陣へ戻り、中央で待つ相手

見える合図
GKやCBには出ず、中央の縦パスを消す。中ほどの位置で守備の塊を保っている。
こちらの一手 → 相手の対抗
空いているCBが運ぶ。相手のMFがボールへ出れば、その脇や背後の受け手が候補になる。
そこで選び直す
MFも出てこなければ、運べる範囲で陣地を進める。横へずらして外の入口を探し、相手の塊の中へ勢いだけで突っ込まない。
中止条件と備え
ボールを失う位置が前になっても、CBまで全員上がれば反撃の道が開く。残るCB・6番・GKで中央と背後を確かめる。

08 / 失敗を一人のせいにしない

「もっとつなげ」より、原因を一つ見つける

01

横パスは通るのに前へ進めない

先に確かめる
6番は相手の影に隠れていないか。CBの前は空いていないか。
最初の修正
6番が斜めへずれ、8番は一段先に残る。CBが運んで相手を動かす道も見る。

02

受けた直後に囲まれる

先に確かめる
受ける前の確認、体の向き、パスの速さと利き足側が合っていたか。
最初の修正
一歩目を置く方向と、ワンタッチで返す先を準備。出し手も受け手の次のプレーまで考える。

03

プレスを越えたのに、すぐ失う

先に確かめる
受けた選手の近くに味方がついてきたか。前線だけが孤立していないか。
最初の修正
パスと一緒に中盤・最終ラインも押し上げる。次に進む道と戻せる道を作る。

04

長く蹴っても全部相手ボール

先に確かめる
競る人しかおらず、落下点の周囲が空いていないか。
最初の修正
競る人、拾う人、失った場合を守る人を分ける。サイドの背後へ出す方法も比較する。

05

一度のミスから同じ場所を狙われる

先に確かめる
相手が同じパスを待っていないか。味方が受ける動きをやめていないか。
最初の修正
再開時に出口を一つ変える。選手一人を責める前に、予測されている経路と支えを見直す。

試合後は「蹴った選手のミス」で止めず、映像を数秒戻します。パスを選んだ時点では道があったか。受け手が見る時間はあったか。支える味方は動いていたか。選択の問題、実行の問題、周りの準備の問題を分けると、次に練習することが具体的になります。

09 / 公式の実例で見る

短く、長く、途中で変える。公式3事例を見比べる

以下はFIFAが分析した特定の大会・試合の事例です。上の模式図とは別で、それぞれの代表が常に同じ戦い方をするという意味ではありません。リンク先の公式ページで映像も確認できます。

CASE 01 / 2024年 男子オリンピック

米国対ニュージーランド:GKの次に、誰が助けたか

FIFAは、米国が幅を広げ、GKシュルテも使って前進した場面を分析しています。Clip 1では、寄せられたGKを左SBトルキンの動きが助け、圧力を越えて逆サイドへ展開。前進する味方を、後方の選手も支えています。

  1. 戻した直後:左CBからGKへ返る。相手の寄せが強まったとき、どの道が閉じるかを見る。
  2. SBが助ける瞬間:トルキンが低く下がり、GKの出口になる。立って待つだけの場合と何が違うか。
  3. 逆側へ届いた後:パスの成功で止めず、前へ出て支えた味方を追う。FIFAは4人の追加サポートを指摘しています。

Clip 2と比べる:攻撃後に戻した場面でも、受け手を孤立させない考え方が続くかを見る。掲載クリップ番号で探せます。根拠のない再生時刻は付けていません。

公式分析のClip 1・2を見る ↗

CASE 02 / 2021年 アラブカップ

エジプト:短く出せても、長く蹴る理由がある

FIFAのEgypt節では、GKエルシェナウィが、後方で人数に余裕がある場面でも長く配球したと説明されています。前線と攻撃的MFは競り合いからのこぼれ球を狙います。「近くに出せないから蹴った」とは限らない実例です。

映像で追う人:最初に競る選手だけでなく、その周囲のMF。蹴る前の立ち位置と、こぼれた後の最初の一歩を比べる。

公式分析のEgypt節と映像を見る ↗

CASE 03 / 2025年 U-20ワールドカップ

モロッコ対スペイン:守備が直すたびに、出口も変わる

FIFAは、モロッコの4-4-2による組み立てと、スペインの4-3-3による高い位置からのプレスを分析しています。注目したいのは配置の名前より、守備側の修正に対する次の配球です。

  1. まず短く:GKと低い中盤を使った前進に対し、スペインは守備的MFも前へ出し、近い受け手を捕まえる。
  2. すると一段先へ:モロッコは中盤の背後のFWへ配球。FIFAは、FWから高い位置の左MFへ展開する場面を示す。
  3. さらに相手が直す:スペインのCBもFWを追うと背後が広がる。Clip 3の長い配球では、スペインのDFが蹴り手を読み、先に下がって対応している。

ここを見比べる:誰が前へ出たから、どこが空いたか。そして空いた場所へ蹴れば必ず成功するのか。最後は相手の守備の判断にも注目してください。

公式分析とClip 1〜3を追う ↗

公式ページの掲載映像への案内です。ZEROの図は説明用に作成したもので、映像の選手位置・時刻を再現したものではありません。

10 / 同じパスでも、試合の事情が違う

点差、残り時間、届くキックまで含めて選ぶ

リードした終盤:持つだけでも、蹴るだけでもない

保持して相手の攻撃回数を減らせるなら、落ち着いてつなぐ意味があります。しかし自陣中央で受け手が捕まっているなら、その一本で失う危険も大きい。相手陣へ運ぶ、サイドへ逃がす、前線で時間を作る方法を含めて選びます。

追いかける終盤:ゴールへ近づく速さと、味方の準備

急いで前へ送っても、9番が一人ならすぐ返されるかもしれません。長く狙うなら落下点へ味方を寄せる。相手が下がっているならCBが運んで、相手陣へ入る時間を短くする。焦りと前進は同じではありません。

ピッチと選手:図どおりの距離でなくてよい

芝や雨、風、ボールの転がり、相手との速さの差で、通せる道は変わります。GKのキックが前線まで届かなければ、プロの長い出口をそのままコピーできません。低いSBを経由するなど、実際に使える経路を用意します。

11 / 選んで、条件を変えて、考え直す

PAUSE & THINK

同じ選択でも、条件が変われば評価が変わる

3つの場面で一手を選んでください。正解の数を競う問題ではありません。別の選択にも理由があるので、選び直して『何が変われば使えるか』まで比べます。

CASE 01

GKに戻った。近いCBか、前線か?

あなたはGK。相手FWが近づいています。次の条件で、どこから前進を試しますか。

  • 右CBには通せるが、次のSBと6番は捕まっている。左側も相手が待っている。
  • 9番は相手DFと1対1。キックは届き、近くの8番もこぼれ球を狙える。
A. 右CBに渡し、リターンで相手を動かす戻す道と時間があれば候補

GKとCBの往復で相手を動かす方法はあります。今回はCBの先が閉じ、GKにも相手が接近中。返してもらう経路まで残っているかが条件です。一本目が通るだけでは、出口になりません。

B. 9番付近へ送り、8番と次のボールを狙う今回の条件で、まず試したい

近い出口が閉じ、前線へのキックと拾う味方が用意できています。短いパスに固執せず、この組み合わせを使えます。前線の1対1と同時に、後方は競り負けた場合の中央と背後を守ります。

C. GKが横へ運び、パスの角度を変える運べる幅と相手の距離次第

横へ動くと角度は変わりますが、今回は相手が接近中です。持ち出す側にも相手がいれば囲まれます。余裕のあるタッチを置ける場所が見えている場合に使い、追いつかれるまで待ちません。

4つの出口をもう一度比べる →

CASE 02

相手が出てこない。CBは待つ? 運ぶ?

あなたは右CB。ボールは足元に収まり、前方に運べる場所があります。

  • 相手FWは6番への道を消し、こちらに寄せてこない。
  • 右SBは高い位置で相手に見られている。左CBと6番は後方を支えられる。
A. GKへ戻し、逆側の出口を探すやり直せるが、今ある道も見る

逆側により良い出口があれば有効です。相手が出てこず、自分の前が空いているなら、戻す前にその空間を使えるかを見ます。

B. 右SBの足元へ出し、落としを受けるSBの受ける余裕を確かめる

SBとの連係で相手を動かす方法です。ただ、背後から密着されていればSBは囲まれるかもしれません。受ける向きと返しの経路まで見えた場合の候補です。

C. 数歩運び、出てくる相手を見て選び直す今回の条件で、まず試したい

前方が空き、ボールも収まり、後ろの備えもあります。運ぶことで相手に新しい判断を迫れます。相手が出ればパス、来なければ前進。最初から遠くまで運ぶと決めず、一歩ごとに出口を確認します。

CBと周りの役割を確認する →

CASE 03

9番へ長いボール。8番はどこへ?

あなたは8番。9番と相手DFが空中のボールを競ろうとしています。

  • 9番が確実に収められるかは、まだ分からない。
  • 6番とCBは後方に残っている。9番の周囲には、こぼれ球を狙える余地がある。
A. 落下点を読み、9番の周囲で次を支える今回の条件で、まず試したい

最初の競り合いが五分でも、次を拾えれば攻撃は続きます。9番と同じ点に重ならず、相手の触り方で落ちる方向を読みます。相手に渡った場合、中央へ簡単に運ばせない位置も意識します。

B. 9番の背後へ走り、そらしたボールを狙うそらす約束と成功の見込み次第

9番が背後へそらせるなら、一気に前進できます。収まるか分からない段階で全員が走り抜けると、手前のこぼれ球が拾えません。周囲を支える人と、オフサイドの位置も残します。

C. 6番の近くに残り、相手に渡った場合を守る後方の備えが足りないなら候補

守備の備えは必要です。この場面では6番とCBが残っているため、8番まで下がると9番が孤立します。前を助ける人と、後ろを守る人を分けます。

長く蹴っても続かない原因を読む →

12 / 次の試合に持っていく

ゴール前の3場面だけ、観察してみる

一試合全部を分析する必要はありません。GKやCBが持った場面を3回だけ選び、始まり方と次の4項目をメモします。「短く出した」「長く蹴った」の数より、その理由を探してみましょう。

  1. 相手:誰が、どの角度から寄せた?
  2. 出口:足元、運ぶ道、前線のどこが使えた?
  3. 次の一手:受けた味方は前を向けた? 支えは来た?
  4. 失ったら:中央と背後に、誰が残っていた?

画面外の選手の位置は断定せず「見えない」と記録します。一つのハイライトだけで、90分間の方針まで決めつけないようにします。

3場面の観察ノート

同じチームの似た始まり方を3回。分からない項目は、そのまま記録できます。保存はこのブラウザのみ、最大3件です。

一つの場面を選んで記録

保存機能にはJavaScriptが必要です。使えない場合は、上の5項目を紙などへ写して比べられます。

保存した観察 0 / 3

  1. まだ記録はありません。

3回そろったら、相手の変化と自分たちの変化を並べてみましょう。

選択内容はこの機能からサーバーへ送信しません。記録の表示領域もアクセス解析の録画で読めないようマスクしています。共有端末では他の利用者に見えるため、利用後に削除してください。ブラウザのデータ消去でも記録は失われます。

13 / 選手・指導者へ

正解の順番を教えず、相手を変える練習へ

以下はZEROが構成した練習例です。FIFAの指導資料にも、CBの持ち出しや、守備の圧力を段階的に増やす考え方があります。人数を足す前に、選手が何を見て選んだかを聞いてください。

用意する場:GK+3人 対 2人、前に出口を二つ

幅20m・奥行き25m程度を出発点に、GKを含む攻撃4人と守備2人を置きます。前方の左右にコーンのゲート。攻撃側はボールを運んでどちらかのゲートを通れば1点。守備が奪ったらGKが守る開始側のゴールを狙い、得点・外へ出たらGKのボールで再開します。

90秒程度を一つの目安に、間に休息と交代を入れます。幅・時間は年齢、技術、疲労、地面に応じて調整。ボールを奪われてばかりなら広げる、守備を一人減らす、歩く速さで位置を確認する、などで難度を下げます。

  1. 1

    守備が「待つ」と「出る」を選ぶ

    守備2人は最初から寄せるか、中央を守るかを選べます。攻撃はパス本数でなく、空いたゲートへの前進を狙う。振り返りは「誰が出た? 出なかった? だから何を選んだ?」。

  2. 2

    ゲートの先に受け手を足す

    前方に味方を一人追加。運んで通る1点に加え、ゲートを通るパスを奥の味方が受け、その後に攻撃側へ返せても1点にします。単に届かせず、後ろの味方も支える練習です。遠い出口が常に簡単なら、守備の開始位置や幅を調整します。

  3. 3

    攻撃の途中で、守備が狙いを変える

    最初は中央を守り、GKへ戻ったら寄せるなど、守備2人で合図を決めます。攻撃は前の答えを続けず選び直す。奪われた瞬間は、近い人が遅らせ、別の人が中央とゴール側を守れたかを確認します。

14 / ルールと戦術をつなぐ

ゴールキックを、エリア内で受けてもいい?

現在のIFAB第16条では、ボールが蹴られて明らかに動くとインプレーです。ペナルティーエリアを出る必要はなく、味方は中で受けられます。相手は原則、インプレーになるまでエリアの外にいます。公式規則を確認する ↗

だから近いCBから攻撃を始める配置も取れますが、短く出す義務はありません。また、プレー中のバックパスとゴールキックでは再開の条件が違います。この記事の図はプレー中の関係を単純化したもので、ゴールキックの開始位置を指定する図ではありません。

15 / FAQ

よくある疑問

ビルドアップとパス回しは同じですか?

パス回しは手段です。ビルドアップは、後方から相手の守備を越えて攻撃を進める組み立て。短いパスだけでなく、運ぶ、戻す、長く送ることも含めて考えます。後ろで何本つないだかだけでは評価できません。

大きく蹴った方が安全ではありませんか?

自陣で失う危険を減らしたい場面では有効です。一方、味方の準備がなければ相手に渡り、すぐ次の攻撃を受けることもあります。狙う相手や場所、こぼれ球への準備、点差と時間を合わせて判断します。

GKを入れると必ず一人余るのですか?

GKとCB2人に相手FW2人なら、その局所は3対2です。そこへ相手中盤が前へ出れば、人数も道も変わります。余っている人の数だけでなく、パスコースと受けた後の余裕を見ます。

相手が前から来ないときはどうしますか?

引き寄せるためだけに待ち続ける必要はありません。CBが空いている前方へ運ぶ、相手のライン間へ立つ味方を使う、外から前進するなど、実際に使える空間から攻撃を始めます。

ゴールキックはペナルティーエリアの中で受けられますか?

現在は受けられます。ボールは蹴られて明らかに動いたときにインプレーとなり、エリアを出る必要はありません。相手は原則としてインプレーになるまでエリアの外にいます。細かな再開の扱いはIFABの第16条を参照してください。

小学生もプロと同じようにつなぐべきですか?

11人制の配置や距離を8人制へそのまま移しません。まずは受ける前に見る、斜めに助ける、空いていれば運ぶ、困ったら戻すという関係から。キックの届く距離と技術、当日のコート、チームの約束に合わせます。

4-4-2や3バックでもビルドアップできますか?

できます。形によって最初の人数や受け口が違うだけです。4-4-2なら中央の2人の高さ、3バックなら中央CBが運べるか、といった見方が加わります。特定のフォーメーションだけの戦術ではありません。

失点したら、ビルドアップは失敗ですか?

その場面の原因を確かめる必要があります。届かないパスを選んだのか、タッチを誤ったのか、受けた先に味方がいなかったのかでは修正が違います。一度の得点・失点だけで、試合全体の選択まで結論づけないようにします。

6番がCBの間へ下がれば解決しますか?

後方の人数は増えます。相手もついてくれば余裕は生まれず、中盤の出口が消えることもある。6番が下がったぶん、別の中盤や内側へ動くSBが一段先を受けられるかまで追います。

全員がマンツーマンで捕まったら、どうしますか?

近づく人と離れる人を分け、相手がついてくるかを見る方法があります。追えば空いた場所へ別の味方が走り、追わなければ近づいた人が受ける候補になる。同時に動いて衝突しない約束も必要です。遠い出口と拾う味方が用意できていれば、長く送る道も残します。

パス成功率が高ければ、よいビルドアップですか?

それだけでは分かりません。後ろの横パスが成功しても前進できない場合があり、長い配球が直接つながらなくても味方が次のボールを回収する場合があります。相手の一列を越えたか、受け手に次のプレーがあったか、失った際に守れたかを併せて見ます。

短く出すか長く蹴るかは、誰が決めますか?

チームで狙う出口や切り替える合図を共有し、ボールを持つ選手が見えている状況から選びます。周りは「右に一人」「戻せる」など具体的な情報で助けます。約束した相手が捕まったら選び直せる余地を残し、ベンチの指示だけを待たせないようにします。

SOURCES / 2026年9月9日確認

この記事を確かめた公式資料

戦術の唯一の正解を定める規則はありません。以下の試合分析・指導資料を参照し、図、条件別判断、失敗の修正、練習例はZEROが説明用に構成しました。

  1. FIFA|The USA’s methodical build-up against New Zealand ↗

    2024年男子五輪の米国対ニュージーランド。幅、GKの参加、前進後の味方の支え。公式ページ内のClip 1・2を参照。

  2. FIFA|The goalkeeper’s role in the build-up phase ↗

    2021年アラブカップの分析。特にEgypt節の、短い選択肢があっても長く配球する事例。

  3. FIFA|Francesco Gabriele: Beating an aggressive press ↗

    GKの参加、空いた選手への経路、3人目、前進後のサポートを扱う指導資料。この記事の図・練習はZEROの模式例。

  4. IFAB|Law 16 — The Goal Kick ↗

    ゴールキックの再開条件と相手の位置。戦術上の選択とは分けて確認。

  5. FIFA|How Morocco’s 1-4-4-2 build-up challenged Spain’s 1-4-3-3 high press ↗

    2025年U-20ワールドカップ。モロッコの4-4-2とスペインの4-3-3、守備の修正に伴う出口の変化。URLの数字ではなく公式記事の見出し・本文を確認。

  6. FIFA|Claire Lynne Smith: Playing out centrally ↗

    CBの持ち出し、空いた選手の利用、守備の圧力を増やす段階的な練習。掲載した3段階の練習例自体はZEROの構成。

  7. FIFA|Dean Santangelo: Goalkeepers and build-up ↗

    GKの周囲確認、パスの角度、相手から離すファーストタッチ、状況に応じた位置の修正。

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