BASKETBALL / THE SPACE BEHIND
バックドアカットとは? パスをもらえないときの動き方
「こっちにパス!」。外で手を挙げても、目の前の相手が邪魔をしてボールが来ない。ところが、味方から離れるようにリングへ走ると、パスが届くことがあります。なぜ近づくより、離れる方が受けやすくなるのでしょう。今日は、その一歩と、出なかったパスの先まで見てみます。
30秒でわかる
外のパスを止めに来た相手の、リング側へ抜ける
バックドアカットは、ボールを持たない選手が、自分を守る相手の裏へ抜けてリング側のパスを狙う動きです。外で受ける道を塞ぐ「ディナイ」に対する選択肢の一つ。スクリーンがなくても使えます。
見るのは三人です。①自分を守る相手、②パスを出す味方、③リング側から助けに来る別の守備。三人の位置がそろった瞬間に、走るか、待つかが決まります。図は一般的な5人制の一例です。
こんな場面から
同じカットから、受けた場合と見送った場合を5図で比較。1996年のプリンストン大の名場面と、すぐに切らず待った当時のコラムも紹介します。
パスをもらえないときの動きを知りたい選手と、得点する前の駆け引きを楽しみたい観戦者へ。
最初はBとX2だけを追います。Aのパス、リング側から寄るX3へと、図ごとに視野を広げていきます。
先に、間隔とパスの道を知りたい方へあとで続きを読む
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この記事の目次 18項目
まずここから
プレーを見る3つの手がかり
01
自分の相手が、何を止めているか
X2が外のパスの道へ出ているなら、Bのリング側への移動が候補になります。相手が最初からリング側に下がっているときとは、同じではありません。
02
走り出す前に、渡す人も見る
Aがこちらを見られるか、ボールを扱えるか。Bだけが先に走っても、Aが背を向けて圧力を受けていれば、パスはつながりません。
03
受けなかった後も、攻撃は続く
別の守備が出たら、無理なパスは見送ります。Bの次の行き先と、空いた場所を埋める味方まで追うと、五人の連係になります。
図でわかる
同じカットでも、パスが通る場合と止められる場合がある
図1→2の先を、二つに分けました。3AはBが受けた場面。3Bは別の守備が道を塞ぎ、4で攻撃をつくり直す場面です。まずBとX2を追い、そのあとAとX3へ目を移します。
● A〜E=攻撃/□ X1〜X5=守備。全図で同じ10人です。上が攻めるリング。小さい橙の丸がボールです。
実線矢印=人の移動/点線矢印=パスの経路/灰色の線=塞がれたパスの道。コートの縮尺や経過時間をそろえた再現図ではありません。
読む順番:1 → 2 → 3A または 3B。4は3Bの続きです。
1|外で受ける道を、X2が塞ぐ
Aがボールを持ち、Bは右の外側。X2がAとBの間へ出て、外のパスを遮っています。
ボール:A(Bへはまだ渡っていない)
灰色の線は塞がれたパスの道。Bの次の候補はリング側ですが、Aの準備とX3も確認します。
2|Bが裏へ。ボールはまだA
Bがリング側へ抜け、X2は追い直しています。Aはまだパスを出していません。
ボール:A(Bへはまだ渡っていない)
点線はAからBへの候補。ここから、X3が外に残る3Aと、内側へ出る3Bに分かれます。
3A|X3が外に残り、Bが受けた
この分岐ではX3がCの側に残り、AからBへのパスが届きました。ボールはBに移っています。
ボール:B(パス成立後)
点線は届いたパスの経路。キャッチできても得点は未確定です。追うX2や反対側のX4を見る必要があります。
3B|X3が内側へ。Aは出さない
別の分岐では、Cを守るX3がBへのパスの道に入りました。Aは見送り、まだボールを持っています。
ボール:A(Bへはまだ渡っていない)
灰色の線がX3に遮られます。Cは次の候補ですが、Aから届く角度とほかの守備を改めて確かめます。
4|受けなかったBが抜け、外を整える
3Bの後の一例。Bは反対側のコーナーへ、DとEは外の位置を調整。Aが引き続きボールを持ち、Cは右側の出口に残ります。
ボール:A(Bへはまだ渡っていない)
矢印は直前の場所からの移動を示します。X2はBを追い、X3はCの側へ戻った例。出口と補充の順番はチームの約束で変わります。
ZERO独自の架空例です。実在する試合・選手・チームの戦術を再現していません。身体の向き、速度、守備が届く範囲は本文と合わせて読みます。
もっとわかる
「パスをもらえない」は、動き直すための情報になる
ディナイとは、ここでは守備が受け手へのパスを遮る位置を取り、簡単に持たせないことです。Bが外へ出たいのに、X2の腕や体がAとの間に入る。その同じ方向へ近づき続けると、X2もついてきて、Aの周りまで狭くなることがあります。
そこでBは、外で受けたい様子を見せながら相手の位置を確かめ、リング側へ方向を変える候補を持ちます。X2が外のパスを強く止めようとした分、向きを変えて追う必要が生まれる。ここで使いたいのは、単なる走力の差ではなく、相手が一方を守ろうとした瞬間です。
相手の背中が見えた瞬間も、まだ合図は半分です。リング側に味方がいれば、飛び込むほど狭くなる。味方のドライブと重なることもあります。「外が難しい。では内側は?」と選び直す。その一瞬に、バックドアの面白さがあります。
走る前の三つの確認。守備・味方・リング側
FIBA/WABCのLevel 1教材では、パスを遮る守備に対して、パサーから離れながらリングへ向かうバックドアを紹介しています。動く味方の少し先へ渡す技術も、そこで学びます。ここからは、その二人の動きを五人の関係へ広げたZEROの架空例です。
- 1|X2は、外を止めるために前へ出た?
- Bは相手と接触して押しのけるのではなく、位置と反応を見ます。外で受ける可能性があるから、X2もそこを守る必要がある。最初から内側へしか動かないと読まれていれば、同じ裏の道は生まれにくくなります。
- 2|Aは、Bが動いた先へ渡せる?
- Aの顔や身体はこちらを向いているか。ボールを持つ手元へ、守備が迫っていないか。目が合っても、間に腕があればパスは通りません。受ける場所とタイミングを二人で合わせます。
- 3|X3や反対側の守備は、どこにいる?
- X2の裏が空いても、リングの前には別の相手がいるかもしれません。Bは走りながらボールを見失わず、Aは奥の守備まで見ます。X3が出たら、空いたCへの道と、そこへ戻る守備を読み直します。
走るBと、出すA。それぞれの失敗をほどく
Bにとって大切なのは、行き先を何度も曖昧に変えないことです。Aがリング側へ出した瞬間にBが外へ戻ると、ボールだけが誰もいない場所へ進みます。方向転換の合図や、受けられなかった後に抜ける場所は、練習で共有しておきます。
AはBの今いる点だけでなく、次に受ける位置を考えます。ただ遠くへ先回りさせればよいのではなく、Bが追いついて扱え、守備に触られにくい範囲へ。低いパス、直接届くパス、高さを使うパスなどの選択は、腕・足・距離で変わります。「バックドアは必ずバウンドパス」と固定しないことが大切です。
出しどきを逃したら、遅れて同じ場所へ投げ込まない。さっきは通りそうでも、今はX2が戻り、X3が寄っているかもしれません。Bもパスが来なかったことを責める前に、Aから見えていた道を確かめます。二人の振り返りを「もっと早く」だけで終わらせないための視点です。
受けたら終わりではない。リング・追う相手・次の味方
図3Aで確定したのは、Bが受けたところまでです。シュートが入った図ではありません。Bがボールを見るために早く減速しすぎれば、後ろのX2が追いつく時間を渡すことがあります。FIBA/WABC教材は、動く受け手が捕る前にカットを止めないことと、パサーが進行方向の先へ渡す練習を扱っています。
受けたBは、リングまでの道と、追ってくるX2を見る。反対側からX4が寄れば、外のDやEへつなぐ道が生まれます。空中で答えを急がず、着地してボールを守るのも一つのプレー。身体の向きと残りの守備が、次の選択を教えてくれます。
Aの仕事も、パスが通った瞬間に終わりません。Bの後ろへ同じ道を走れば、X1までリングへ連れて行くかもしれない。外に残る、別の角度へ移る、こぼれ球や切り替えに備える。何を選ぶかはチームの約束によりますが、得点したBだけでなく、渡した後のAまで追うと一本の連係が見えます。
- リングまで空いている
- Bは受けた勢いを止めず、フィニッシュへ。裏を取ったあとも、横や反対側から来る守備は視野に残します。
- 別の守備が止めに来た
- その守備が元々見ていた味方が次の候補です。Bが自分で打つ場合と外へつなぐ場合を、守備の距離とパスの道から選び直します。
- 姿勢を崩した、道が閉じた
- 無理にシュートや難しいパスを続けず、止まって守ることも攻撃を残す判断です。受けたことと、すぐ打つことは同じではありません。
実例:良かったのは、すぐ走らずに待ったこと
FIBA掲載のBCL 2020-21の戦術コラムは、カルシュヤカのアマス・エンバイ(Amath M’Baye)の動きを取り上げています。筆者が注目したのは、セック・ヘンリー(Sek Henry)がドリブルを終えた後、こちらを向いて目を合わせるまで、エンバイがバックドアを待ったことでした。
筆者は、最初の機会に切っていたらヘンリーが見逃し、ドリブルも残っていない状態で取り残されていた、と分析しています。これは当時のコラムの解釈の紹介で、ZEROが映像から選手の意図を新たに認定したものではありません。
ここから観戦へ持ち帰りたい問いは、「一番早く走ったのは誰?」よりも、「誰に合わせて動き出した?」です。守備が前へ出た瞬間と、味方が渡せる瞬間。その二つが重なる時間を見ると、一歩待つことも攻撃の仕事に見えてきます。
出典:FIBA掲載・BCL 2020-21|Tactics Breakdown — Casademont Zaragoza v Pinar Karsiyaka ↗
パスが来なかったら。リング下で、攻撃を終わらせない
3BではX3がBへの道に入り、Aは出しません。Bはリングの近くで要求し続ける以外の仕事へ移れます。4は、Bが反対側のコーナーへ抜け、DとEが位置をずらす一例です。全員が同時に同じ場所へ入らず、次に受ける場所を残します。
この図では右のウイング、つまり最初にBがいた外側の場所も空いています。Aの次の移動やパスに使える余地ですが、すぐドライブできると決まったわけではありません。X2がBを追うか、残ってAを止めるかでも次の選択が変わります。
FIBA/WABCのLevel 1教材でも、5アウトのカット後は外側の位置を補い、味方の動きに合わせます。図4の出口は、その考え方を見やすくしたZEROの架空例。反対側へ抜けることだけが正解ではなく、チームの約束で出口は変わります。
- 残ったC|助けに行く前に、パスの出口を残す
- X3が内側へ寄ったら、Cは外で受ける準備を持ちます。Bと同じ道へ駆け込むと二人の守備も近づきます。必要に応じて受ける角度を変えつつ、Aから届くかを確かめます。
- DとE|新しい場所を、二人で奪い合わない
- Bが抜けてくるなら、元の場所を誰が空けるのかを共有します。埋める順番はチームの約束次第。シュートになった後は、リバウンドへ向かう人と相手の速攻に備える人の分担も続きます。
出典:FIBA / WABC Level 1|2.1.2〜2.1.3 カット後の補充とタイミング(冊子313〜316頁) ↗
守る側なら? ディナイをやめれば解決、ではない
X2のディナイには、Bに簡単に持たせず、攻撃の開始を遅らせる狙いがあります。裏を一度取られたから、外のパスをすべて自由にしてよいとは限りません。どこまで前へ出るかは、パスへの圧力、リング側の助け、チーム全体の方針とセットです。
X2はボールに目を奪われず、Bを視野に残します。抜けられたら、リング側へ戻りながら味方へ伝える。X3が助けに出たなら、次はCを誰が見るのか。「ヘルプ!」の声のあとまで、守備は続いています。
観戦では、Bに渡らなかった場面も面白いところです。Aに圧力をかけたX1、リング側へ出たX3、カットを追い直したX2。そのうち何が効いたように見えたか。画面外の選手や声は分からないと残しながら、得点を防いだ一歩を見つけます。
1996年、プリンストン大が43–41でUCLAを破った夜
プリンストン大学の公式回顧記事が伝える1996年のNCAAトーナメント初戦。前年王者UCLAを破った43–41の勝利では、スティーブ・グッドリッチからゲイブ・ルウィリスへのバックドアのパスが決勝点につながりました。UCLAにはその後に最後のシュートがあり、試合終了と同時の決勝シュートではありません。
ただ、その一本だけで勝った物語にしてしまうと、面白さを削ってしまいます。同じ大学公式記事は、プリンストンがリバウンドで劣りながらも、守備で相手を苦しめたことを振り返っています。決勝点の技だけではなく、そこまで接戦を保った仕事があった。この順で知ると、最後のカットがもっと重く感じられます。
バックドアは「プリンストン・オフェンス」を連想させる動きですが、一つのカットの名前と、チーム全体の攻撃の仕組みは同じではありません。バックドアを使っただけで、そのチームがプリンストン・オフェンスを採用しているとは判断できません。上の5図も、この試合の配置や手順の再現ではありません。
出典:Princeton University Athletics|Welcome Home, Coach Carril(2007年1月5日) ↗
似た言葉を整理。5アウトでも、ゾーン相手でも使える?
5アウトは、五人が外側を起点に間隔を取る配置の呼び方です。バックドアは、その中でもほかの配置でも起こり得る一人の動き。五人が外にいるからといって、中へ切った先が必ず空くわけではありません。
ゾーン相手でも、守備の背後へ入るカットは生まれます。ただ、マンツーマンで自分の相手を振り切る動きと、場所を分担する守備の間へ入る動きは別物です。リング側を守る人、次に受け渡す人まで見ると違いが分かります。このページのX1〜X5は、一人ずつ担当して始まる架空例です。
- バックカット/バックドアカット
- 文脈によって、ほぼ同じ意味で使われます。このページでは、外のパスを遮る守備の裏へ入り、リング側へ抜ける動きを指します。呼び名より、どこへ動くかをチームでそろえることが大切です。
- バック・スクリーン
- 味方が守備の背後側にスクリーンを置くこと。受け手が裏へ走るバックドアとは、誰が何をするかが違います。スクリーンを使って裏へ抜けることもありますが、同じ用語ではありません。
- ギブ&ゴー/パス&カット
- パスを出した人が動いて、返しのパスを狙う連係です。この記事のBは最初にパスを出していません。ボールを渡してから切ったのか、持っていない状態から裏へ抜けたのかを分けると整理できます。
- ベースラインカット
- エンドラインに沿ってコートの反対側やリング近くへ動く経路の呼び方です。守備の裏へ入ることはあっても、外のディナイに対する方向転換だけを指す言葉ではありません。出発点と狙いを合わせて見ます。
使わない判断もある。裏が空いて見えても待つ三つの場面
バックドアは、パスが来ないときの万能ボタンではありません。味方がリングへドライブしているときに同じ道へ入れば、その味方を守る相手まで増やすことがあります。先に入っている味方がいる場合も、二人で一つの狭い場所を使うことになります。
Aがボールを強く詰められ、視野もパスの角度もないなら、Bが深く切るほど、Aの近くから受け手が一人減ります。FIBA掲載の当時のコラムで「待つ」判断が取り上げられたのは、この二人の時間を合わせる大切さを示す一例です。待ち続けるのではなく、Aが使える別の出口も残します。
残り時間が少ない場合は、カットが速いかどうかだけでなく、受けた後にシュートまで進める時間があるかも条件になります。一方で、時計だけを理由に難しいパスを強行すれば、攻撃権を失う危険があります。点差・時計・チームの約束は、この一般例に足して判断します。
- リング側に味方がいる
- 先にいる味方が抜けるのか、自分が外に残るのか。二人が同じ道へ動く前に、間隔を確認します。
- 味方がこちらへドライブ中
- 正面衝突するような経路を避け、外の出口や反対側へ。ドライブ&キックの記事と合わせると、残る人の仕事を整理できます。
- パサーが背を向け、出口も少ない
- 切る合図が共有できず、Aを孤立させる可能性があります。Aが見える位置、別のパス、ボールを運ぶ余地をチームで残します。
練習では、成功するパスだけを繰り返さない
十分な間隔を取り、ゆっくり、接触なしで始めます。AとBに守備役を一人加え、X2が外を塞ぐ場面と、リング側を先に守る場面を比べます。同じ方向へ反射的に走らず、相手を見て選べたかを振り返ります。速さや接触を加える段階は指導者と調整してください。
リング側の守備役も加え、「Bへ通す」「見送って次へ」の両方を練習します。数えたいのはパスの本数ではなく、AとBが同じ景色を見られた回数です。出さなかったあとに、次の場所が残ったかも見てください。
最後に五人へ広げ、残り時間とシュート後の仕事も加えます。同じカットから違う答えが生まれるのは、相手もこちらを読んでいるから。その駆け引きが、ボールのない時間を面白くします。
PAUSE & THINK
3場面で考える。今、誰の何を見る?
いずれもZEROの架空例です。プレーの評価を、速さや得点だけで決めず、条件を一つずつ確かめます。
CASE 01
X2は外を塞いだ。でもAはこちらを向けていない
Bにはリング側の道が見えます。Aはドリブルを終え、X1の圧力を受けてBに背を向けています。
- Bの道と、Aが渡せる瞬間は別。
- Aには、今受けられる味方も必要。
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
道が空いた瞬間、とにかく全速力で切るAが渡せる時間を置き去りにしない
Bだけが先へ進むと、Aが振り向いたときには受け場所が消えていることがあります。切る前の合図と、Aから見える出口を考えます。速さだけではパスはつながりません。
Aが渡せるかを確認し、別の出口も残す二人のタイミングと、残りの味方へ
Bは受ける意思を伝え、C〜EもAがつなげる位置を確保します。ただ止まって待ち続けるのではなく、Aが向けるか、別の味方へ渡せるかで動き直す候補を持ちます。
空いたBへ出さないAの判断ミスと決めるAから見えた経路を確かめる
客席や図で空いて見えても、ボールの位置からはX1の腕が邪魔をしているかもしれません。実際に出せたかを確認せず、受け手が空いたことだけでパサーを責めないようにします。
CASE 02
BがX2の裏へ。X3がパスの道を塞いだ
図3B。Aはまだボールを持っています。Cは外に残り、Bにはパスが来ていません。
- X3は元々Cを守っていた。
- Cが候補になっても、Aからのパスが保証されるわけではない。
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
Bが頑張って走ったので、必ずBへ出す努力と、通せる条件は別
走った味方を生かしたい気持ちと、今そこへ出せるかは分けます。X3が先に触れる位置なら、Bへ無理に通すより、別の受け手や次の角度を探す方がよい場合があります。
Bへのパスを見送り、Cへの道と守備の戻りを見る空いた場所を、もう一度読む
X3が離れたCは候補です。その間にX2が外へ出たり、別の守備が回ったりするかもしれません。「ヘルプが出たから外が空く」ではなく、新しくできた道を読みます。
CもBのすぐ横へ走り、二人で要求する同じ道を狭めない
Cが同じ内側へ入ると、X3が二人に対応しやすくなる場合があります。常に外で静止するという意味ではありませんが、Bと違う受け場所を残すことも大切な協力です。
CASE 03
Bは受けずに抜けた。その後Aが別の味方へパス
Bは反対側へ抜け、DとEが場所を調整。次のパスは通りましたが、その後のシュートは外れました。
- Bにはアシストも得点も付いていない。
- 動きの価値とシュート結果を分けて見る。
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
Bは触っていないので、何もしていない守備と間隔の変化を見直す
Bのカットで守備が動いたり、Aの近くに新しい場所ができたりした可能性があります。触った回数だけでなく、カット前後に誰がどこへ移ったかを比べます。
走ったので、Bの動きは必ず成功意図を決めつけず、その後まで見る
走っても味方の進路を塞ぐことはあります。次のパスが通ったという事実と、Bの動きがどの程度役立ったかという解釈は別です。相手がどう対応したかも確かめます。
変わった守備と、シュート後の分担を追う一本の攻撃を、次の守備まで楽しめる
得点の有無だけで終わらず、受け手に時間ができた理由を振り返ります。外れた後は、誰がボールを確保し、誰が相手の速攻を止める準備をしたかへ視線を移せます。
試合でやってみよう
次の観戦では、一人の「受ける前」「受けた後」「受けなかった後」を見る
次の練習で
三つの攻撃だけ、ボールのない同じ選手を追います。自分の守備、パサーの向き、リング側の守備の順に視野を広げ、受けた後は追う相手と次の味方も見ます。映像で見切れたところは、分からないままで大丈夫です。
試合を見るとき
ビートレインズの試合でも、気になる背番号を一つ選び、外で持たせない守備にどう返事をしたかを探してみましょう。この図は同チームの固有戦術や選手の得意技を示していません。
次の試合に持っていく
バックドアを見る、三行の観察メモ
意図の推測より、見えた順番を残します。
-
切る前
外のパスを止めた守備は誰? パサーはこちらを向けた?
-
切った瞬間
リング側の守備は出た? ボールは渡った、渡らなかった?
-
その後
受けた人はリング・追う相手・次の味方のどれを見た? 受けなかった人は、どこの道を空けた?
背番号を一人追うと、その一歩を支えた四人も見えてくる。
迷ったときに
よくある疑問
バックドアカットとは何ですか?
ボールを持たない選手が、自分を守る相手の裏へ抜けてリング側のパスを狙う動きです。外で受けるパスを塞ぐ守備への選択肢ですが、パサーが渡せるか、別の守備が待っていないかも確認します。
バックドアとバックカットは違いますか?
ほぼ同じ意味で使われることがあります。このページでは、外のパスを遮る守備の裏へ入り、リング側へ抜ける動きを指します。チーム内では、呼び名と一緒に実際の行き先までそろえると伝わります。
パスをもらえないときは必ずバックドアをすべき?
いいえ。内側に守備や味方がいる、パサーがこちらを見られない、別の味方がドライブしている、といった場合には別の動きが必要です。パスが来ない理由を確かめてから、候補を選びます。
バックドアへのパスはバウンドパスが正解?
必ずではありません。守備の腕や足、距離、受け手の速度で通る経路は変わります。パスの種類の暗記よりも、途中で触られず、受け手が次の動作に移れるかを確かめます。
カットしたのにパスが来なかったらどうする?
リング下で要求し続けず、次の受け場所や味方の道を残す動きへ移ります。反対側へ抜ける例もありますが、出口や補充の順番はチームの約束によります。パサーが出した直後に急に戻るような行き違いを避けます。
5アウトやプリンストン・オフェンスと同じですか?
同じではありません。5アウトは外側を起点とする配置、プリンストン・オフェンスは攻撃の仕組みの呼び方です。バックドアは一つの動きで、使っただけで特定のシステムの採用を判断することはできません。
図はプリンストン大やビートレインズの試合を再現していますか?
いいえ。ZERO独自の架空の5対5です。大学公式記事が伝える1996年の試合、FIBA掲載コラムの当時の分析、一般的な判断を説明する図を区別しています。特定選手の意図や現在のクラブ戦術を推定する資料ではありません。
ZEROで実際に見てみよう
動きを知ったら、バスケの記録へ
次に学ぶ
同じ競技のやさしい解説
公式資料・出典
確認した一次情報
- FIBA / WABC Level 1|Getting open(冊子176・178頁) ↗
- FIBA / WABC Level 1|2.1.2〜2.1.3 カット後の補充とタイミング(冊子313〜316頁) ↗
- FIBA掲載・BCL 2020-21|Tactics Breakdown — Casademont Zaragoza v Pinar Karsiyaka ↗
- Princeton University Athletics|Welcome Home, Coach Carril(2007年1月5日) ↗
最終確認日: 2026-09-15。 この記事は公式規則・公式指導資料を基に、代表的な動きをやさしく整理したものです。実際の担当は指導者の方針、チームの約束、大会規定を優先してください。