RUGBY PHASE READER
ラックの次、15人はどう並び直す? 3フェーズで読む攻撃シェイプ
ラグビーの1-3-3-1を、固定配置ではなくラック後の3フェーズで解説。支援、前進、幅、折り返しをどの順で回復するかを図で追います。
こんな場面から
キャリアーが接触し、オフロードできずラックを作る判断になった瞬間。
ラグビーの配置を覚えたら、次は試合の合図へ。動いた形の中で、自分の役割を選び直します。
配置名が初めてなら、先にラグビーの図鑑で基準の形を一度見ると、局面ごとの変化を追いやすくなります。
1-3-3-1攻撃の基準を確認するあとで続きを読む
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30秒でわかる
ラックができるたび完全な1-3-3-1へ戻すのではありません。まずボールを守る支援、次の前進役、遠い側の幅の順で立て直し、守備の集まり方から同じ方向か折り返しかを選びます。
SEQUENCE READER
一枚の配置ではなく、局面の変化を追う。
PHASE 01
第0フェーズ:まずボールを孤立させない
- 切り替わる合図
- キャリアーが接触し、オフロードできずラックを作る判断になった瞬間。
- そろえる動き
- 最初の支援はボールを守り、次の支援は脅威と人数を見ます。全員がラックへ入らず、9番の両側に次の出口を残します。
- 次に見る問い
- 本当にラックへ必要な人数は何人か。余った一人を次の攻撃へ残せるか。
PHASE 02
第1フェーズ:近い3人で守備を一度止める
- 切り替わる合図
- ラックから速いボールが出て、近い守備がまだ横一線へ戻り切っていない。
- そろえる動き
- 3人組は先頭、内側支援、後方オプションに深さを作ります。強く当たることより、前進かパスかを接触前に選びます。
- 次に見る問い
- 守備が中央へ集まったか。外側の幅と次の3人組が立っているか。
PHASE 03
第2フェーズ:同じ方向を続け、守備の戻りを遅らせる
- 切り替わる合図
- 最初の前進で守備を後退させ、反対側へ移る時間よりボールが速い。
- そろえる動き
- 次の3人組を同じ方向へ早く使います。前のラック参加者は追い越そうとせず、内側の遅い支援と次の折り返しへ戻ります。
- 次に見る問い
- 大外で人数差があるか。それとも守備が流れ、内側の折り返しが空いたか。
PHASE 04
第3フェーズ:幅へ出るか、折り返して空間を取り戻す
- 切り替わる合図
- 守備が同じ方向へ2回動き、外側の人数または逆側の戻り遅れが見えた瞬間。
- そろえる動き
- 大外へ運ぶなら端の1人とBKを孤立させない。折り返すなら、前のラック参加者が立ち直った内側へ9番・10番が早く運びます。
- 次に見る問い
- 突破後の次の支援まで残っているか。得点機会だけを見てボール保持を失わないか。
READ, THEN DECIDE
形を見たあと、自分ならどうする?
キャリアーが接触。近い味方が4人いるが、相手の脅威は2人。
全員がラックへ入る前にする判断は?
支援は孤立を防ぎますが、多すぎれば次のフェーズがなくなります。脅威を見て必要人数を決めます。
第1フェーズで前進。守備はまだ後退し、次の3人組が同じ側に立っている。
まず検討する選択は?
前進と速いボールがあるなら、守備の再配置より早く同じ側を続ける価値があります。必ず続けるのではなく、守備の数が条件です。
2フェーズ連続で右へ。守備も右へ流れ、左側の選手が立ち直った。
折り返す前の確認は?
逆側が空いて見えても、ボールだけ先に届けば孤立します。前進役、近い支援、外の幅を確認します。
ACTION / REACTION / NEXT
守備の出方が変わったら、次のフェーズをどう選ぶ?
1-3-3-1は味方だけで完成する形ではありません。守備が一気に前へ出る、外へ流す、ラックへ人数をかける。その反応を見て、同じ方向・折り返し・背後のどれを使うかを選び直します。
試合の現在地速いラックから3人組を使おうとした瞬間、守備が外から内へ強く前進します。攻撃の外側にはまだ幅が残っています。
- 01OUR IDEA
こちらの最初の狙い
最初のレシーバーが守備線へ前進し、内・外の支援を同じ深さにせず複数のパス角度を作ります。
- 02THEY ADAPT
相手は、ここを変えてくる
外側の守備が前へ飛び出し、パスを横へ流させる前に時間と空間を奪います。内側は抜かれた後をカバーします。
- 相手の狙い
- 攻撃を後退させ、孤立したキャリアーか読める長いパスを作って接点で圧力を続けること。
- 03WE RESPOND
合図を見て、こちらも変える
- 変化の合図
- 外側守備の肩が内側へ向いているか。守備線の背後に余白があるか。内側の守備が飛び出しへ追いついているか。
飛び出す守備の内側へ短いパスを返す、深いレシーバーへ後ろで渡す、または前に空いた背後へ安全にキック。最初の支援は突破よりボール保持を先にします。
- 04NEXT LOOP
もう一度変えられたら
守備が飛び出しを弱めれば外へ運び、後方が上がれば背後、内側カバーが遅れれば短い返しを再び選びます。
3つの担当に分ける
- 第1レシーバー
- 守備を一歩止める前進を残し、短い返し・後ろ・背後の順で出口を見る。
- 内側支援
- 飛び出した守備の内肩へ入り、短いパスと接点保護の両方へ備える。
- 外側・後方
- 人数と背後を声にし、ボールが来なくても次のフェーズの幅を残す。
試合の現在地守備が横の間隔を保ち、攻撃をタッチライン側へ流しながら外の余白を少しずつ消します。
- 01OUR IDEA
こちらの最初の狙い
3人組が守備線へまっすぐ前進して内側守備を固定し、外側へパスする時間と十分な幅を作ろうとします。
- 02THEY ADAPT
相手は、ここを変えてくる
守備は内側から押し出すように移動し、外の攻撃人数へ順番に受け渡しながらタッチラインを追加の守備者にします。
- 相手の狙い
- 大外へ追い込んで選択肢と支援距離を消し、孤立・タッチ・遅いラックのどれかを次の接点で作ること。
- 03WE RESPOND
合図を見て、こちらも変える
- 変化の合図
- 守備者の腰が外へ開いているか。最初の守備者が内側ランナーを渡しているか。大外の前に守備が何人残るか。
内側ランナーが守備をまっすぐ固定し、その内肩への返し、外へ見せた後の折り返し、または守備が流れた背後への短いキックを選びます。
- 04NEXT LOOP
もう一度変えられたら
守備が内肩を締めれば今度は外へ早く運ぶ。後方が前へ詰めればキックをやめ、支援付きで内側の薄い場所へ戻ります。
3つの担当に分ける
- 内側ランナー
- ボールが来なくてもゴールラインへ直線で走り、内側守備を固定して外への流れを止める。
- ボール保持者
- 守備の腰が開くまで前進し、返し・外・背後を遅すぎる前に選ぶ。
- 大外と内側支援
- 最後まで幅を残す人と接触へ内側から追いつく人を分け、タッチ際での孤立を防ぐ。
試合の現在地接点でボールが遅れ、守備がラックの両側へ人数を戻す時間を得ました。攻撃の3人組も完全にはそろっていません。
- 01OUR IDEA
こちらの最初の狙い
まずボールを安全に出せる支援を確保し、近い前進役と遠い幅の二つの出口を再構築します。
- 02THEY ADAPT
相手は、ここを変えてくる
守備は短い側を埋め、近場のキャリアーへ強く出ながら、次のパスを外へ予測して折り返します。
- 相手の狙い
- 遅い球出しをさらに遅らせ、攻撃を一人ずつの接触へ分断して、次のラックでも人数優位を続けること。
- 03WE RESPOND
合図を見て、こちらも変える
- 変化の合図
- ラック脇の守備が何人で、立っているか。遠い側の守備線がセット済みか。攻撃の外側支援がボールより先に動けるか。
そろっていない形で遠くへ急がず、支援付きの短い前進で守備を一度止めるか、相手が同じ側へ折り返した瞬間に短い側へ返します。
- 04NEXT LOOP
もう一度変えられたら
短い前進で速い球が出れば幅へ再展開。再び遅れたら、数字の復元より保持と支援を優先して次の安全な接点を作ります。
3つの担当に分ける
- 9番・第1レシーバー
- 左右の人数だけでなく支援到着を見て、近い前進か折り返しかを共有する。
- 近いフォワード
- 全員がラックへ入らず、保持に必要な人数と次のキャリアーを分ける。
- 遠い側の選手
- 待つのではなく内側から再配置し、展開時の支援距離を短くする。
ROLE LIFECYCLE
プレーの前・最中・直後で、仕事を切り替える。
| 役割 | 始まる前 | 動いている間 | 終わった直後 |
|---|---|---|---|
| 最初の支援 | キャリアー、守備脅威、オフロードの可能性を見る。 | ボールを守るか、パスを受けるかを選ぶ。 | ラックに残るなら低く安定し、不要なら次へ出る。 |
| 次の3人組 | ラック完成前に深さを作る。 | 先頭・内側・後方の三つの選択肢を保つ。 | 全員が接点へ入らず、次の再配置を始める。 |
| 9番・10番 | 守備人数とボール速度を確認。 | 近場・同じ方向・折り返しを選ぶ。 | 次のラック位置を予測し両側へ出口を作る。 |
| 端のFW・外側BK | 幅を取りながら内側との距離を切らない。 | 人数差なら前進、なければ中へつなぐ。 | 突破後の最初の支援へ加速する。 |
DIAGNOSE, THEN REPAIR
見えた失敗を、最初の一手まで分解する。
見える症状
毎回ラックが遅い
原因候補:支援が遠い、または接触後に役割を考えている。
最初の修正
キャリアーの後ろから加速し、接触前に『受ける/守る』を声へ出す。
次に確認:最初の支援が止まらずボールへ入れたか。
見える症状
次の攻撃が一人になる
原因候補:近い選手が全員ラックへ入り、次の3人組を残していない。
最初の修正
二人目以降は相手脅威を見て、不要なら立ったまま次へ。
次に確認:ボールが出る前に二つの出口が見えるか。
見える症状
大外で孤立する
原因候補:幅の選手へボールだけを早く送り、内側支援が届かない。
最初の修正
大外の一人手前に内側支援を置き、パスか接点の二択を作る。
次に確認:外側選手が接触前に味方の声を聞けるか。
見える症状
数字を戻す間に守備がそろう
原因候補:完璧な1-3-3-1の復元を優先し、目の前の速い攻撃を止めている。
最初の修正
支援、前進、幅の三つだけを先に回復する。
次に確認:5秒以内に安全な次の一手が出たか。
TAKE IT TO PRACTICE
長い説明を、短い練習へ変える。
10分 / ボール到着前に次の出口を作る。
3フェーズ先置きタッチ
- 1中央3人→反対3人→端を基本順にする
- 2タッチ後は支援1人だけがボールへ
- 3残りは次のフェーズ位置へ先に立つ
成功の目印:得点ではなく、毎回二つ以上の出口がボール到着前に見えれば成功。
15分 / 数字が崩れた後に原則へ戻る。
予定外ラックから5秒再構築
- 1コーチが予定外の場所でラックを指定
- 2攻撃は5秒以内に支援・前進・幅を回復
- 3守備はあえて片側へ人数を変える
成功の目印:形の再現ではなく、守備の薄い場所へ安全な支援付きで前進できれば成功。
WATCH ONE GAME
次の試合では、ボール以外を4回見る。
- 01ラックへ攻撃側が何人入ったか
- 02ボールが出る前に次の3人組が立っているか
- 03同じ方向を何回続けてから折り返すか
- 04大外へ届いた時に内側支援が何人いるか
FAQ
使う前に確認したいこと
この図のとおりに動けば、必ず成功しますか?
いいえ。図は判断の順番を見つけるための基準です。1-3-3-1などの数字は競技規則が定める固定配置ではなく、チーム戦術の一般的な呼び方です。安全な接点技術と所属大会の競技規則を優先してください。
最初はどこまで覚えればよいですか?
まず「本当にラックへ必要な人数は何人か。余った一人を次の攻撃へ残せるか。」の一問だけを、練習と試合で繰り返してください。全部の配置を同時に覚える必要はありません。
チームで使うとき、何から始めますか?
判断問題を全員で解き、答えより理由がそろうか確認します。その後、短い練習を一つ選び、止めながら役割を共有してください。
SOURCES / SCOPE
公式資料と、この解説の範囲
- The Principles of Attack and Defence ↗
World Rugby Passport
前進、継続、幅と奥行き、守備が時間と空間を奪うという原則を確認。
- Breakdown Ready ↗
World Rugby Passport
ブレイクダウン周辺の役割、再配置、安全な継続の考え方を確認。
- Support Player Key Performance Indicators ↗
World Rugby Passport
支援選手の見る・決める・動く循環、接触前後の声、孤立を防ぐ役割を確認。