VOLLEYBALL TACTICS / BEFORE THE SPIKE
なぜブロックが1枚になる? セッターが守備を動かす仕組みを図解
スパイクが決まる直前、ネットの向こうに手が2本だけ見える。相手には前衛が3人いるのに、なぜ1人しか間に合わないのでしょう。答えを探すなら、打った選手より少し前へ巻き戻してみてください。レシーブした人、中央へ走った人、ボールを上げた人の仕事がつながっています。
30秒でわかる
一つの攻撃を見せながら、別の場所で打つ時間をつくる
相手の中央ブロッカーがクイックを警戒している間に、左右へトスを届ける。移動して跳ぶ時間が足りなければ、サイドのブロッカー1人が残ります。これが1枚になる代表的な仕組みです。
1枚になる道は一つではありません。速いトス、中央攻撃、後衛攻撃、相手の守備方針や戻りの遅れが重なります。打球時の人数、手の隙間、跳んだタイミングを分けて追うと、得点前の仕事が見えてきます。
こんな場面から
中央の選手にトスが来なくても、相手を中央に残す助けになることがあります。図で仕組みを知り、公式映像で助走と相手の一歩を見直します。
豪快なスパイクの一歩前で、誰が相手を迷わせたのか。得点にならない助走と連係まで追う記事です。
Sはセッター、MBは中央、OHは主に左、OPは主に右の攻撃役です。初めてなら先に『セッターの選択』を読むと、図の4人を追いやすくなります。
セッターが攻撃を選ぶ順番あとで続きを読む
保存した記事は、このブラウザから読み返せます。
この記事の目次 14項目
まずここから
プレーを見る3つの手がかり
01
本当に打てる候補をつくる
よい1本目と、間に合った助走が出発点。中央の選手が呼ぶだけでなく実際に打てる状態なら、相手は簡単に無視できません。
02
相手の移動時間を使う
中央を見る、横へ動く、踏み切る。この順番には時間が必要です。中央への警戒が残るうちにサイドへ届けると、2人目がそろいにくくなります。
03
打ちやすさまで確かめる
ブロックを減らしても、打者が追いつけない低いトスなら攻めにくいまま。人数だけでなく、助走・打点・選べるコースを見ます。
図でわかる
レシーブと相手の動きが変わると、トス先も変わる
同じ攻撃側から見た3つの模式図です。条件を切り替えると、相手中央ブロッカーの位置と、使いたいトス先が変わります。サーブ前の正しい並びを示す図ではなく、サーブ後の攻撃局面です。
3つの条件を順番に比べられます。
中央への警戒が、サイドへ移る時間を削る
丸=攻撃側、四角=守備側。中央の太線=ネット。赤い矢印=トス、点線=移動の方向・候補。スマホでは配置を簡略化して全体を表示します。
S=セッター/OH=アウトサイドヒッター/OP=オポジット/MB=ミドルブロッカー/B=サイドのブロッカー。打てる選手だけを抜き出した図で、6人全員の配置ではありません。
2人目が間に合わなければ、サイドが1枚に。
中央の助走だけで必ず1枚になるわけではありません。相手の初期位置、トスの速さ、打者の助走でも変わります。
候補が絞られると、相手は横へ動きやすい
丸=攻撃側、四角=守備側。中央の太線=ネット。赤い矢印=トス、点線=移動の方向・候補。スマホでは配置を簡略化して全体を表示します。
S=セッター/OH=アウトサイドヒッター/OP=オポジット/MB=ミドルブロッカー/B=サイドのブロッカー。打てる選手だけを抜き出した図で、6人全員の配置ではありません。
2枚でも、打ちやすいトスとカバーで次をつなぐ。
悪いレシーブなら必ず2枚、という決まりではありません。ここは中央が使いにくい一例。無理な速さで1枚だけを狙わない場面です。
相手が動いたら、中央を使う選択もある
丸=攻撃側、四角=守備側。中央の太線=ネット。赤い矢印=トス、点線=移動の方向・候補。スマホでは配置を簡略化して全体を表示します。
S=セッター/OH=アウトサイドヒッター/OP=オポジット/MB=ミドルブロッカー/B=サイドのブロッカー。打てる選手だけを抜き出した図で、6人全員の配置ではありません。
相手の逆を取るより、まず『本当に使えるか』。
中央が無人になるとは限りません。別のブロッカーや後衛が対応することもあるため、図の空きだけで得点を保証しません。
※図は役割と動きの一例です。実際の担当や合図は、年代・状況・チームの約束で変わります。
もっとわかる
トスを受けなかったミドルにも、仕事がある
たとえば、レシーブがネット付近へ返り、セッターの前でミドルブロッカー(MB)が速い助走に入った場面。相手の中央ブロッカーは、そこへトスが出ればすぐ打たれると考えます。左右のどちらかへ先回りしたい気持ちがあっても、中央を空ける危険を無視できません。
ここで左のアウトサイドヒッター(OH)へトスが出ると、相手MBは中央から左の打者の前へ移動し、外側の味方と並んで跳ぶ必要があります。トスが届くまでに間に合わなければ1枚、到着しても踏み切りや手の位置がそろわなければ隙間のある2枚になります。勝負は最高到達点だけでなく、そこへ着くまでにも起きています。
よく『おとり』と呼ばれますが、最初から打つ気のない演技とは違います。中央の選手が本当に打てる準備をし、セッターも条件がよければ中央を使う。その信用があるから相手は警戒します。ボールをもらわなくても毎回準備する仕事は、得点者だけを追うと見落としやすい貢献です。
相手を動かすとは、大きく跳ばせることだけではありません。一歩を中央に残させる。横移動の開始を遅らせる。それだけでも、サイドの攻撃条件は変わります。映像で見える足の動きと、外からは分からない選手の視線や迷いは、分けて読みます。
もう一つ大事なのは、セッターが一人で全てを操っているわけではないこと。レシーブが崩れて中央の助走が間に合わなければ、同じトス技術でも候補は減ります。逆に、拾った球が高すぎず低すぎず返り、打者が助走を取り直せれば、ラリーの途中でも攻撃を組み直せます。
1枚・ずれた2枚を生む、三つの仕組み
『ブロックを振る』を一つの技として覚えるより、横の距離・判断の時間・攻撃人数の三つで考えると、違う試合でも見つけやすくなります。以下は一般的な考え方で、後の公式映像をそのまま再現した説明ではありません。
- ① 中央を残して、横の移動を長くする
- 中央の速攻を見せてからサイドへ。MBの攻撃位置がセッターのすぐ前か、少し離れた場所かでも、相手が守りたい場所は変わります。ただ遠くへ走ればよいのではなく、その場所へ実際に打てるトスが届くことが条件です。
- ② 方向を早く決めさせず、残り時間を短くする
- 複数のトス先を選べる体勢に入るほど、相手はボールが出る前に方向を絞りにくくなります。最後まで同じ姿勢を無理に保つより、まずボールの下へ入り、安定した打ちやすいトスを出せることが先です。
- ③ 後衛攻撃で、前衛3人だけの対応を難しくする
- 中央後方からのパイプや右後方からの攻撃が加わると、前の選手だけでは数えきれません。助走、トス、1本目がそろった候補を使い、後衛選手の攻撃制限も守ります。
自分のチームでは、だれが何をする?
次の1本で全員が高度な駆け引きをする必要はありません。セッターの頭の中を当てるより、自分が攻撃の候補を一つ増やせるかを考えます。
- レシーブ・ディグをする人:次の人が選べる球へ
- 直接得点にならなくても、セッターが落ち着いて入れる1本目には価値があります。無理な好返球だけを狙わず、崩れたら次の人が安全に追いつける球を残し、触ったあともカバーへ動きます。
- MB:上がらない回も、打つ準備をやめない
- 助走と声をそろえ、ボールが来たら打てる状態を見せます。崩れた球には無理に突っ込まず、セッターやほかの打者の進路を空ける。その判断も仕事です。
- セッター:相手を見る前に、使える候補を知る
- 1本目、味方の助走、相手の位置を合わせて選びます。中央に相手を集めること自体を目的にせず、味方が打てる候補の中で有利な場所を探します。
- OH・OP:呼ぶだけでなく、打てる助走を用意する
- 中央へ上がりそうでも準備を続けます。レシーブしたOHが戻れないなら、無理な速さを要求せず、打点を合わせられる高さを伝えます。1枚ならコース、2枚なら手の間や外側など、最後は実際の壁を見て選びます。
- 打たない選手:決まる前提で止まらない
- 1枚でも跳ね返されることがあります。打者の周囲と深い位置をチームで分担してカバーし、触ったあとの2本目を誰が上げるかも声でつなぎます。
相手も考える。守備側はどう対抗する?
攻撃側の図だけでは、セッターがいつでも自由に選べるように見えてしまいます。実際には守備側も、サーブから条件を変え、どの攻撃を優先して守るかを決めています。
- サーブで、中央の候補を減らす
- セッターをネットから離す、レシーブする打者を助走へ戻りにくくする。その結果、サイドへの高いトスが増えれば、ブロックが移動する時間を取りやすくなります。狙いどおりになるかはサーブの質と相手の対応次第です。
- リードブロック:トスを読んでから対応する
- ボールの出る方向を確かめて移動する考え方です。早く決め打ちしにくい一方、速い中央攻撃へは時間が足りなくなる場合があります。単に棒立ちで待つことではありません。
- コミットブロック:特定の攻撃を先に優先する
- 中央の速攻などへ事前に照準を合わせる考え方です。狙った攻撃には強く出られますが、別の場所へ上がればそちらが薄くなることがあります。毎回全てに2枚をそろえる、という約束ではありません。
- 1枚になった後も、後衛との守備は続く
- ブロックが締めるコースと、後衛が守る場所をつなぎます。1人で全コースを塞ごうとするより、ラインかクロスか、短い球は誰かという約束が助けになります。担当はチームごとに異なります。
金メダルを決める最後のトス。上げたのはMBだった
攻撃をつくるのはセッターだけではない。そのことを思い出させる実話があります。USA Volleyballの指導記事は、北京五輪で米国男子の金メダルを決めた最後の得点につながるトスを、ミドルブロッカーのライアン・ミラーが上げたと紹介しています。普段の司令塔はロイ・ボールでした。
これは『1枚ブロックをつくった映像例』ではありません。この記事につながるのは、専門の担当でなくても、次に誰が打てるかを判断する仕事が回ってくるという点です。セッターが1本目に触ったら、残りの選手は『自分の役割ではない』と止まっていられません。
だから、練習でもトス役を一人に固定しない時間をつくる。得点した人の名前だけでなく、その一本を渡した人まで追う。そうすると、試合の記憶に残る選手がもう一人増えます。
うまくいかないときは、トスの前まで戻る
結果だけを見て『もっと速く』『もっとだまして』と直すと、必要な原因を見落とします。次の順で一つずつ点検してみてください。
- 中央を呼んでも相手が残らない
- MBの助走は間に合っているか。1本目は中央へ上げられる位置か。声の大きさより、実際に中央を使える関係をつくります。相手がどう動くかは、その先の駆け引きです。
- 速いトスなのに2枚そろう
- 相手が先にサイドへ寄っていないか、トス先が1本目や助走から絞られていないかを確認。さらに速くする前に、使える別の候補があるかを考えます。
- 1枚にしたのに打ち切れない
- 低すぎる、ネットに近すぎる、打者の後ろへ来るなど、トスと助走の関係を点検します。打者のミスだけにも、セッターの責任だけにもしません。
- よいレシーブなのに強く攻められない
- ボールの位置に加えて、受けた人は助走へ戻れたか、MBは切り替えられたか。きれいな1本目が、全員の攻撃準備につながったかを見ます。
- 相手がこちらの狙いを変えてきた
- 相手MBが先にサイドへ動くなら、中央が次の候補になります。逆を取ることだけを狙わず、実際に使える打者と後衛守備まで見て選びます。
PAUSE & THINK
あなたなら、だれに上げる? 3つの判断レッスン
正解のトス先を暗記する問題ではありません。示された条件から一つ選び、別の選択なら何を確認したいかまで考えます。試合映像そのものではなく、ZEROが作成した学習用の場面です。
CASE 01
中央も左も打てる。相手MBは中央を警戒
1本目はセッターの近くへ返り、味方MBも左のOHも助走に入っています。相手の中央ブロッカーは、まだ中央付近です。
- 中央のクイックを実際に使える
- 左のOHも無理なく打てる
- 相手MBはまだサイドへ移っていない
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
左のOHへ上げる有力な候補
中央への警戒が残る間にサイドへ届ければ、相手MBの横移動が遅れます。速さだけを求めず、味方の助走に合う場所へ届けます。
中央のMBへ上げる十分に選べる
中央に相手がいるだけでクイックを捨てる必要はありません。味方の打点、相手の手とタイミングを合わせて判断します。中央を実際に使えることが、別の攻撃への警戒にもつながります。
相手が動くまで待ってから上げる待つこと自体を目的にしない
ボールを保持して相手を待てる競技ではありません。トスのリズムが遅れると、味方の助走との関係も崩れます。判断はボールが来る前の準備から始まります。
CASE 02
レシーブが崩れ、左の打者はまだ助走へ戻れない
セッターはネットから離れた位置で追いつきます。MBの助走は間に合わず、レシーブしたOHも戻れていません。右のOPは高いトスなら打てる準備ができています。
- 中央の速攻は使いにくい
- 左の打者は立て直し中
- 右へ高く上げる技術と約束はある
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
右のOPへ、打ちやすい高いトスこの条件なら有力
1枚だけを追わず、準備ができた味方へ攻撃を残します。相手が2枚そろっても、打者がコースを選べて、味方がカバーできることに価値があります。
左へ、いつもより速いトス速さを足す前に確認
相手が追いつけなくても、味方も追いつけなければ強く打てません。OHが戻れる高さを取れるか、別の打者を使えるかを先に考えます。
相手の意表を突いてクイックこの条件では無理をしない
ここではMBの助走が間に合わないと分かっています。相手が驚くかより、味方が実際に触れるかが先です。安全につなぐ球も含めて選択します。
CASE 03
23–23。前の1本を止められた打者に、また上げる?
前の攻撃はブロックされました。次の1本目はよく返り、その打者も助走に入れます。前の失敗がトス、判断、相手との相性のどれによるものかは、まだ分かりません。
- 一度止められたという結果は分かる
- 失敗の原因はまだ不明
- 今の助走と相手の位置は見られる
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
打てる条件を確認して、もう一度使う合理的になり得る
前の失敗だけで候補から外しません。今回のトス位置、相手のブロック、打者の状態がよければ、同じ選手へ託す理由があります。必ず成功するという意味ではありません。
別の打者の条件がよければ、そちらへこれも合理的
配球を変えることと、前の打者を信用しないことは別です。今その瞬間に使える候補を比べます。スコアだけで唯一の正解は決まりません。
一度止められたので、もう使わない結果だけでは判断できない
よい選択でも失点することはあります。逆に無理なトスが偶然得点になることもあります。結果と、その前に使えた情報を分けて振り返ります。
WATCH → NOTICE → READ AGAIN
公式映像で確認:人数だけを数えると、何を見落とす?
2026年6月14日のVNL男子・スロベニア対日本。日本は3–1で勝利しました。得点の原因をハイライトだけで断定するのではなく、同じ映像を『打者』と『ボールに触らない選手』の二つの見方で比べます。
Volleyball World 公式ハイライト
YouTubeで見る ↗再生するまでYouTubeプレーヤーは読み込みません。
投稿元:Volleyball World ↗ / 映像確認 2026-09-04
各時間は広告を除く動画本編の目安です。映像の再編集・転載はせず、公式プレーヤーで再生します。地域・端末・公開状態によって再生できない場合は、YouTubeのリンクをお試しください。動画を見なくても、以下の観察メモと本文で学べます。
OBSERVATION 01 / 0:19–0:30
山内のクイック:2人の手は一つの壁になっている?
見るのはここ1回目は日本の打者。2回目は26秒前後の正面リプレーで、相手2人の手の間だけを見る。
- 映像・公式記事で確認したこと
- 日本が0–1の第1セット。山内晶大がセッターから横に離れた位置で速攻に入り、直後の正面リプレーでは相手2人が手を上げています。JVAの試合記事も、日本の最初の得点が山内のクイックだったことを確認しています。
- そこから試してほしい見方
- これは『1枚になった成功例』ではなく、人数だけでは攻撃条件を説明しきれない比較例です。26秒前後のリプレーで、2人の手の間隔と、打者に対する位置を追います。中央の攻撃も、セッターの真横だけで起きるわけではありません。
- この場面だけでは分からないこと
- 映像から相手の事前の守備指示や、選手が何を見ていたかまでは分かりません。得点した理由を一つの隙間だけに決めつけず、打点やコースも合わせて見ます。
OBSERVATION 02 / 6:49–6:55
前の助走、その後ろからの攻撃を順に追う
見るのはここ1回目は後方から打つ選手。2回目は、その前にネット近くで跳んだ味方だけを追う。
- 映像・公式記事で確認したこと
- 第3セットの日本7–8。赤いユニフォームの日本側で、ネット近くの選手が先に助走・跳躍し、その後方から来た選手へトスが渡って攻撃が続きます。カメラはサイドから全体を映しています。
- そこから試してほしい見方
- 最初は後方の打者だけ、次はネット近くで先に跳んだ選手だけを見ます。中央に前後の攻撃候補が重なると、守備は『ネット際の選手だけ追えばよい』とは限らなくなる、という視点を試せます。
- この場面だけでは分からないこと
- この短い画角だけで、後衛の踏み切り位置や相手の狙いを厳密に判定する教材にはしていません。1枚の枚数判定や反則判定ではなく、助走の順番を観察する例です。
試合でやってみよう
次の10分で、打たない人の仕事まで確かめよう
次の練習で
最初の3分はジャンプせず、セッター・中央・サイドの3人で助走とトス先の合図を確認。次の4分は中央を警戒する役を1人置き、左右か中央かをゆっくり選びます。最後の3分は、打たなかった人がカバー位置へ動くところまで。得点数ではなく『本当に使えた候補』『打者が無理なく触れたか』『カバーが続いたか』を振り返ります。これはZEROの学習用練習案で、公式指定のドリルではありません。接触やネット下の交差を避け、年代と指導者の方針に合わせます。
試合を見るとき
一本のラリーを、①1本目の返る場所、②トス前のMBの助走、③相手MBの一歩目、④打球時の人数・隙間・タイミング、の順で見返します。全てを同時に追わず、同じ映像を2回見るだけでも構いません。
次の試合に持っていく
次の試合で、一本だけ『得点の前』を記録する
紙でもスマホでも、試合名・セット・スコアを書けば始められます。次の4行を埋め、ハイライトに1本目が映っていなければ『不明』で止めます。
-
① 使えた候補
1本目はどこへ返った? 中央・左・右・後衛のうち、助走に入れたのは誰?
-
② 打たなかった人
トス前に、誰がどこへ助走した? 相手MBの一歩目は中央・サイドのどちら?
-
③ 最後の壁
打球時に何人いた? 手の隙間や跳ぶタイミングは? 見えなければ人数も保留。
-
④ 次も見たいこと
同じ条件の次の一本では、配球や相手の位置は変わった? 得点したかとは分けて書く。
『左の選手が決めた』から、『中央へ助走した人がいて、相手の移動が遅れ、左の選手が打てたように見える』へ。見えたことを一つ足せたら、それが今日の発見です。
迷ったときに
よくある疑問
1枚ブロックをつくれば必ず決まりますか?
決まりません。1人でも高さ・手の向き・タイミングが合えば止められます。後衛の守備、打者の助走、トスの位置も関係します。人数は好条件の一つです。
『ブロックを振る』とは、セッターがフェイントすること?
フェイントだけではありません。中央の速攻、左右の幅、後衛攻撃、トスの速さなどを組み合わせ、相手が一か所へそろいにくい条件をつくることです。
おとりの選手は、実際には打たなくてよい?
本当に打てる準備が重要です。最初から打てない助走だと相手は無視しやすくなります。ボールが来なくても、次のカバーまで仕事が続きます。
レシーブが崩れたら、もう1枚にはできませんか?
1枚になることはありますが、中央や速い攻撃を使いにくくなり、相手はトス先を絞りやすくなります。無理に1枚を狙わず、打ちやすい高いトスで攻撃を続ける判断も大切です。
セッターが前衛と後衛で何が違う?
代表的な5–1では、セッターが後衛なら前衛にほかの攻撃役が3人、前衛なら2人です。後衛攻撃や前衛セッターの2本目攻撃も関係するため、単純に人数だけで有利不利は決められません。
1枚しかいないのは、相手MBが遅いから?
身体能力だけが原因とは限りません。中央を優先する約束、複数の攻撃候補、前のプレーからの切り替えなどでも変わります。短い動画だけで選手の責任と断定しないようにします。
初心者も速いトスやパイプから練習すべき?
まず安全な動線、安定した1本目、無理なく打てるトス、助走と声のタイミングをそろえます。速さや攻撃の種類は段階的に増やし、大会規定と指導者の方針を優先してください。
動画の図は、その試合を正確に再現したものですか?
いいえ。切り替え図は仕組みを理解するための模式図です。公式動画の観察メモとは分け、選手の意図や見えない位置を推測で再現していません。
ZEROで実際に見てみよう
動きを知ったら、バレーの記録へ
次に学ぶ
同じ競技のやさしい解説
公式資料・出典
確認した一次情報
- FIVB — The Game(セットとブロックの基本) ↗
- USA Volleyball — Pro Tips(ミドルの助走とサイドの1対1) ↗
- USA Volleyball — Thoughts for Setters(打ちやすさとトスの精度) ↗
- USA Volleyball — 10 Keys to Middle Blocking(相手・パスを読む守備) ↗
- FIVB — Official Volleyball Rules 2025–2028(前衛・後衛の資格) ↗
- JVA — 2026年6月14日 スロベニア対日本 ↗
- USA Volleyball — STOP Teaching Robots(北京五輪の最後のトスと全員の判断) ↗
- USA Volleyball — Recipe for a Setter(使える候補、相性、一本ごとの判断) ↗
最終確認日: 2026-09-04。 この記事は公式規則・公式指導資料を基に、代表的な動きをやさしく整理したものです。実際の担当は指導者の方針、チームの約束、大会規定を優先してください。