VOLLEYBALL TACTICS / BEHIND THE BLOCK
リベロはなぜ、そこにいる? ブロックと後衛守備の連係を図解
ものすごいスパイクなのに、リベロがほとんど動かずに拾った。反対に、全力で飛び込んでも届かない一本があった。その差を反射神経だけで語ると、ネット際の仕事を見落とします。前の選手がどの道を狭め、後ろの選手はどこで待ったのか。得点した人の反対側にも、もう一つのラリーがあります。
30秒でわかる
前で打てる道を減らし、後ろで残る道を分担する
リベロの立つ場所は、相手の打点と味方のブロックで変わります。前で狭めたコースの隣に、抜けてくる球を待つ。ほかの守備者も、強打、短い球、ブロックに当たった球を分け合います。
ブロックは完全な壁ではありません。手の間を抜け、上を越え、触れて方向が変わる球もある。『ここは来ない』ではなく、『ここを優先する』という約束です。立ち位置はチーム、相手、トス、年代で変わります。
WATCH IN 30 SECONDS
ブロックが狭めた道。その先を、誰が守る?
ライン側を狭めるブロックと、クロス側や短い球を待つ仲間。6人の配置を比べ、ブロックが1枚になったときの分担まで見ます。図は学習用の一例です。 自分の競技でも、味方が相手の進路やパスコースを絞った先を、だれが守るか観察してみてください。
再生するまでYouTubeへ接続しません。動画を見なくても、この記事だけで内容を理解できます。
YouTube Shortsで見る ↗動画はまだ読み込まれていません。
こんな場面から
同じレフト攻撃でも、前が狭める方向、相手セッターの前後、ローテーションで後ろの仕事が変わります。4条件の図、6位置、逆引き診断で見比べます。
強打を拾ったリベロは、なぜそこにいたのか。前のブロックと後ろの守備を、一つの約束として読み解きます。
ディグは相手の攻撃を拾うこと。ラインはサイドラインに沿う方向、クロスは斜めの方向です。先にセッターの記事を読むと、なぜブロックがそろわないことがあるかもつながります。
攻撃側から見る:ブロックが1枚になる仕組みあとで続きを読む
保存した記事は、このブラウザから読み返せます。
この記事の目次 26項目
まずここから
プレーを見る3つの手がかり
01
打てる場所を読む
相手の1本目、トスの高さとネットからの距離、打者の助走を見ます。中央も使えるのか、サイドへ絞られたのかで、守備の準備は変わります。
02
前の約束を確かめる
ストレートを狭めるのか、クロスを狭めるのか。2人目は間に合うか。予定したブロックではなく、実際にできた手の位置まで見ます。
03
分担し、構えて、つなぐ
強打と短い球の担当をそろえ、打たれる瞬間には方向を変えられる姿勢へ。拾った後は、だれが2本目を上げ、だれが打つかへ切り替えます。
図でわかる
前の条件が変わると、後ろの担当も変わる
相手の左サイド攻撃を、自分たちのコートの後ろから見る図です。相手のレフトは画面右側。サーブ後の一例で、サーブ前の並びではありません。4条件を比べ、ブロックの枚数だけでなく、残るコースと短い球の担当を見てください。
4条件を順番に比べられます。
- 四角 1・2:B1・B2のブロック
- 丸 L・D・F:床の守備
- 矢印:通り得る球の一例
- 赤い止め線:狭めたい方向
ラインを狭め、クロス側の強打に備える
Lはクロス側の強打。短い球をF・D右と分ける。
ラインを完全には消せません。手の外・上、接触後の球も残ります。D中はLとの境目と深さを確認。
クロスを狭めたら、ライン側の担当が重要に
D右はライン側の強打へ。Lも残るコースに合わせる。
Lが必ず前へ出る守り方ではありません。この図ではFとの短い球の境目を調整した例です。クロスも絶対に来ないとは言えません。
1人で全部をふさがず、残る道を分担し直す
中央にも通る道が広がる。L一人に背負わせない。
B2が必ず図の位置へ間に合うとは限りません。実際の移動時間で調整し、無理に横へ跳んで味方の着地へ入らないことを優先します。
Fが短い球へ。後ろ全員が同じ場所へ走らない
この短い球はFが優先。残りは次の一球も準備。
右の短い球ならD右など、落ちる場所で担当は変わります。Fが届かなければ近い人が声を出して助けます。『必ずF』ではありません。
L=リベロ。D中・D右=この例の中央・右の後衛。F=ブロックに参加しない前衛。B2が間に合わない③では、B2も丸で表示しています。番号は背番号ではありません。点線の横線はアタックライン。丸の位置は守備の出発点の例で、固定の守備範囲ではありません。
図は高さ・時間を省いた模式図です。止め線はブロック成功を保証せず、矢印以外にも球は来ます。④の曲線も実際の軌道を測定したものではありません。
※図は役割と動きの一例です。実際の担当や合図は、年代・状況・チームの約束で変わります。
もっとわかる
『よくそこにいた!』は、打たれる前から始まっている
相手のレフトへ高いトスが上がり、味方がストレート側へ2枚のブロックをそろえる。前がサイドライン沿いの道を狭めれば、後ろは斜めのクロスへ重心を移しやすくなります。それでも、打者には手の隙間や上、フェイントという別の道が残っています。
逆に、ブロックがクロス側へ寄る約束なら、ストレートへの備えが重要になります。さっきと同じリベロでも、担当や構える深さが変わって自然です。リベロを左後ろへ置くチームも、中央を担わせるチームもあります。背番号やユニフォームの色だけから守備範囲を決めることはできません。
ここで『空いている場所を全部埋めよう』とすると、今度は味方と重なります。守れる面積と反応できる時間には限りがあるからです。ブロックの外を抜ける強打、手の間を抜ける球、短い球を、だれが優先するか。全員が少しずつ同じ場所を守るより、境目の約束を言葉にすることが出発点です。
よく聞く『ブロックの影』は、安全地帯ではありません。前の選手で打者やボールが見えにくく、強打の直進コースが狭まる場所です。後衛は手の外や隙間から打者が見える位置を探しながら、影へ落ちるフェイントや跳ね返りにも残ります。
配置と判断問題は、公式指導資料を土台にしたZEROの学習例です。最初は『前はどちらを狭める?』『短い球はだれ?』の二つだけでも、六人の動きが一本につながります。
サーブの前に5秒。相手の『使える人数』を数える
守備位置を決め始めるのは、トスが上がってからではありません。まず相手セッターが前衛か後衛か、ネット際で攻撃に入れそうな選手が何人いるかを見ます。これは相手の作戦を当てる作業ではなく、自分たちが消してはいけない選択肢を共有する準備です。
ローテーションから分かるのは、前衛・後衛の資格と出発点までです。実際の攻撃参加、セッターのツー、バックアタック、交代選手の得意不得意は、次の動きから読む。初めて見る相手なら、『まだ分からない』も立派な情報です。
- ① セッターは前? 後ろ?
- 前衛ならネット際での2本目の攻撃も選択肢。後衛なら後衛選手の制限が関わります。背番号ではなく、直前のローテーションと動きを追います。
- ② 前衛の攻撃役は何人?
- 左・中央・右のだれが助走へ入れるかを見る。全員を同じ重さで追わず、今の1本目から本当に使えそうな候補へ絞ります。
- ③ 後衛から入る攻撃はある?
- バックアタックの助走が見えたら、ネット際の3人だけで数え終わりません。助走そのものが、おとりになることもあります。
- ④ 自分たちの約束を一言にする
- 『セッター前』『中央ある』『バックある』のように、チームで決めた短い言葉へ。共通語ではないので、試合前に意味を合わせます。
出典:USA Volleyball — So You Want to be a Great Defender?! Learn to Read the Hitter!! ↗
P1〜P6は出発点。ローテーション位置と守備位置を混ぜない
ローテーションのP1〜P6は、背番号でも、そのラリー中ずっと立つ守備位置でもありません。FIVB現行規則では、前衛はP4・P3・P2、後衛はP5・P6・P1です。受ける側はサーブが打たれる瞬間にローテーション上の位置関係を守り、その後は両チームとも自由に動けます。
サーブ後に前へ移動しても、後衛の資格は前衛へ変わりません。相手セッターがどの位置から始まったかを覚えると、ツー、ブロック、後衛からの攻撃に関わる候補が整理できます。トス先と守備位置は、そこから始まる動きを見て読みます。
- P4・P3・P2:前衛
- ネット際の左・中央・右。セッターがこの三つから始まれば前衛セッターとして数えます。どこへ移動するかはチームのシステムで変わります。
- P5・P6・P1:後衛
- 左後・中央後・右後。P1は通常サーブ位置です。セッターがサーブ後にネット際へ走っても、同じラリー中の後衛資格は残ります。
- サーブ順と打つ場所は別
- 時計回りに一つ進むローテーション順は追えますが、サーブ後の攻撃参加や守備担当は別の情報です。番号だけで『必ずここへ打つ』とは推定しません。
- 現行規則の注意
- 2025–2028規則では、サーブ接触時に位置関係を求められるのは受ける側で、サーブ側は自由に位置を取れます。大会に特別規定があれば、その規定が優先です。
ROTATION READER
セッターの出発位置を押して、前衛・後衛を確かめる
ネット側 / 自分たちの後ろから見る
エンドライン側
セッターがP4から始まるとき
前衛セッターとして数える
ネット際でセッター自身が2本目を攻撃する可能性も残します。一方、前衛の攻撃役が何人になるかは、5-1・6-2などのシステムと今の交代、実際の助走で変わります。
- 規則から分かる
- 前衛・左のローテーション位置と、前衛・後衛の資格。
- まだ分からない
- サーブ後の実際の立ち位置、トス先、ブロックの約束、各選手の得意。
- 短く伝えるなら
- 「セッター前。中央・バックも見る」のように、今残る候補を一つ添える。
セッターがP3から始まるとき
前衛セッターとして数える
ネット際でセッター自身が2本目を攻撃する可能性も残します。一方、前衛の攻撃役が何人になるかは、5-1・6-2などのシステムと今の交代、実際の助走で変わります。
- 規則から分かる
- 前衛・中央のローテーション位置と、前衛・後衛の資格。
- まだ分からない
- サーブ後の実際の立ち位置、トス先、ブロックの約束、各選手の得意。
- 短く伝えるなら
- 「セッター前。中央・バックも見る」のように、今残る候補を一つ添える。
セッターがP2から始まるとき
前衛セッターとして数える
ネット際でセッター自身が2本目を攻撃する可能性も残します。一方、前衛の攻撃役が何人になるかは、5-1・6-2などのシステムと今の交代、実際の助走で変わります。
- 規則から分かる
- 前衛・右のローテーション位置と、前衛・後衛の資格。
- まだ分からない
- サーブ後の実際の立ち位置、トス先、ブロックの約束、各選手の得意。
- 短く伝えるなら
- 「セッター前。中央・バックも見る」のように、今残る候補を一つ添える。
セッターがP5から始まるとき
後衛セッターとして数える
後衛の資格は、サーブ後にネット際へ移動しても変わりません。前衛にいる攻撃役に加えてバックアタックがあるかを見ますが、助走した選手へ必ずトスが上がるわけではありません。
- 規則から分かる
- 後衛・左のローテーション位置と、前衛・後衛の資格。
- まだ分からない
- サーブ後の実際の立ち位置、トス先、ブロックの約束、各選手の得意。
- 短く伝えるなら
- 「セッター後ろ。中央・バックも見る」のように、今残る候補を一つ添える。
セッターがP6から始まるとき
後衛セッターとして数える
後衛の資格は、サーブ後にネット際へ移動しても変わりません。前衛にいる攻撃役に加えてバックアタックがあるかを見ますが、助走した選手へ必ずトスが上がるわけではありません。
- 規則から分かる
- 後衛・中央のローテーション位置と、前衛・後衛の資格。
- まだ分からない
- サーブ後の実際の立ち位置、トス先、ブロックの約束、各選手の得意。
- 短く伝えるなら
- 「セッター後ろ。中央・バックも見る」のように、今残る候補を一つ添える。
セッターがP1から始まるとき
後衛セッターとして数える
後衛の資格は、サーブ後にネット際へ移動しても変わりません。前衛にいる攻撃役に加えてバックアタックがあるかを見ますが、助走した選手へ必ずトスが上がるわけではありません。
- 規則から分かる
- 後衛・右/サーブ位置のローテーション位置と、前衛・後衛の資格。
- まだ分からない
- サーブ後の実際の立ち位置、トス先、ブロックの約束、各選手の得意。
- 短く伝えるなら
- 「セッター後ろ。中央・バックも見る」のように、今残る候補を一つ添える。
出典:FIVB Official Volleyball Rules 2025–2028:7.4–7.6、13.3.3、14.4、19.3.1(位置・後衛の攻撃・ブロック接触・リベロ) ↗
トスの方向へすぐ走る? 最初の一歩で、打ち返される場所を空けない
セッターが右へ上げた瞬間、後衛全員が右へ流れると、打者が手首を返して左へ打つコースを空けることがあります。だから『トスを追わない』のではなく、トス、実際のブロック、打者の向きがそろうまで、反対にも動ける小さな調整にします。
これは一歩も動かず待つ、という意味でもありません。遠い攻撃へ間に合わせる移動と、打たれる瞬間の構えを分けます。担当が変わるなら声を出し、最後は予想より実際の球へ反応します。
- 早すぎる大移動
- 打者とブロックを見る前にコートを横切る。元いた場所への打ち返し、味方との重なり、切り返しの遅れが起きやすくなります。
- 必要な先回り
- ベース位置から守備位置へは早く動く。最後の数歩だけは幅を残し、手の隙間、打者、短い球を見て立ち位置を微調整します。
- 映像で確かめる
- トスが出た瞬間で止め、後衛の最初の一歩を見る。打者の接触まで進めたら、空けた場所と実際に残ったコースを比べます。
出典:USA Volleyball — Five Things You Shouldn't Do on a Volleyball Court(ブロック後方での読み) ↗
目はどこを見る? 準備する位置と、最後の構えは違う
ボールだけを追っていると、打者へ目を移すのが遅れます。とはいえ、最初から打者だけを見てもトスの変更についていけません。相手の返球から攻撃が決まるまで、必要な情報を順番につなぎます。
- ① 相手の1本目:選択肢が残っているか
- セッターが無理なく入れそうか、中央の助走が間に合うかを確認。崩れたから必ずサイド、とまでは決めず、まず守備の出発点を調整します。
- ② トスが出たら:打つ場所へ合わせる
- ボールの行き先と打者の助走を見て移動。隣も同じ基準で動けるようにします。予定した2枚がそろわなければ、その場の隙間も判断材料になります。
- ③ 打つ直前:逆にも動ける構えへ
- 勢いよく横へ流れたままだと、反対側の球へ切り返しにくくなります。到達できる範囲で足と姿勢を整え、打者へ向き、腕を出せる準備をします。『止まる』は棒立ちや、追える球を諦めることではありません。
- ④ 打たれた後:予想を捨てて実際の球へ
- クロスを予想していても、球がブロックに当たれば軌道は変わります。肩の向きだけで答えを決めず、最後は飛んだ球へ反応します。予測は準備を助けるもので、保証ではありません。
出典:USA Volleyball — So You Want to be a Great Defender?! Learn to Read the Hitter!! ↗
6人の仕事を分ける。跳ばない前衛も守っている
2枚ブロックなら、床を守るのは後衛3人だけではありません。ブロックに参加しない前衛も含めて考えます。以下は図の①『ラインを狭める2枚』を説明する担当例です。L・D・Fは説明用の記号で、固定のポジション名ではありません。
- B1・B2:2人で一つの基準をつくる
- サイド側の基準役と、中央から寄る役。『ラインを狭める』などの約束をそろえます。間に合わないときは無理に横へ飛び込まず、着地場所を守る。残った隙間は、後ろの守備と分け合います。
- L:この例ではクロス側の強打を優先
- リベロをクロス側に配置した例です。自分へ来る強打に構えつつ、前のFが短い球を取った後には2本目を助けられるかも考えます。『うまい人だから全部』ではありません。
- D中央:深い球と中央の境目を見る
- Lとの間、ブロックの手の間、後方へ流れる球をチームの約束に沿って担当。図の丸の上に球が来るのを待つのではなく、どちらの選手が前に出るかを共有します。
- D右:ライン側の残る危険を確認
- ラインをブロックに任せる例でも、手の外を抜かれたり、触れた球が後ろへ流れたりします。担当をなくすのではなく、前が狭めた分だけ、短い球などへ備え方を調整します。
- F:跳ばない前衛が短い球を支える
- 図ではクロス寄りの短い球を優先。ネットへ近づきすぎず、ブロッカーの着地を空けます。逆側の短い球までF一人へ任せず、D右などとの境目も決めます。
出典:USA Volleyball — Defense is More Than Just Another Team System ↗
ペリメーター、ローテーション、ハイブリッド。名前より『だれが短い球を取るか』
守備を調べると、ペリメーター(後衛を外側・深めに置く考え方)、ローテーション(ブロックに合わせて選手が位置をずらす考え方)、その二つを混ぜたハイブリッドなどの名前が出てきます。しかし、同じ名前でも立ち位置や担当がチームごとに同じとは限りません。
名称を覚える目的は、図どおり並ぶことではなく、何を優先し何を残す設計かを話しやすくすることです。USA Volleyballの指導記事も、システムを固定の答えにせず、チームの強み・相手・実際のブロックへ適応する必要を説明しています。
- 深い強打を厚くするなら
- 後方へ人を残す分、短い球は前衛か、前へ入る一人に任せます。深さだけでなく、打者が見える角度も探します。
- 短い球へ一人を上げるなら
- その人が離れた後ろを、残りの選手がどう分けるかまでがセット。『前へ行って』だけでは、今度はエンドライン側が空きます。
- 若い年代・低いブロックなら
- 前で狭められる面積が小さければ、大人と同じ影を前提にしません。後ろが広く守り、まず一つの強打と一つの短い球の担当から始めます。
- 呼び名が分からなくても
- 『前はどこを狭める?』『短い球はだれ?』『手の間はだれ?』の三つを答えられれば、6人の守り方を点検できます。
出典:USA Volleyball — Defense is More Than Just Another Team System ↗
『ブロックがあるのに落ちた』を四つに分ける
同じ失点でも、球が通った道が違えば、直す場所も変わります。ここは学習用の切り分けです。映像で見えない接触を作り足さず、分からないものは保留します。
- 手と手の間を抜けた
- 2人いても、手の高さや間隔、跳ぶ時刻がそろわない場合があります。ブロックの合わせ方と、後ろの中央担当を点検。後衛だけへ『もっと反応して』とは言い切れません。
- 手の外側・上側を通った
- ブロックは予定したコースを狭められたか。打点は、その手より高かったか。『ふさぐ約束』と『実際にふさげた道』を分けます。
- 短く落とされた
- フェイント(強く打たず短く落とす攻撃)の担当は、Fか、前へ入る後衛か。二人が譲ったのか、そもそも遠かったのかを確認。全員が前へ出ると深い球が空くので、一人を動かしたら残りも調整します。
- ブロックに触れて軌道が変わった
- 接触を確認できたら、その後の落下地点を追います。自陣へ戻る球だけでなく、外側へ流れる球もあります。近い人が声を出し、ほかの人は衝突を避けながら次のつなぎへ備えます。
セッターが拾った! リベロは2本目を上げてもいい?
リベロもトスを上げられます。セッターがディグをしたとき、次の一球をだれが担当するかはチームの約束です。リベロ、近くの前衛、別の選手という候補を持ち、『2本目は自分』と声を出せると、ほかの選手が助走を作りやすくなります。
FIVBの6人制規則19.3.1.4では、リベロがフロントゾーン内から指を使ったオーバーハンドパスを上げると、味方は球全体がネット上端より高い状態でアタックヒットを完了できません。トスを上げた瞬間に反則になるのではなく、その後の攻撃までが条件です。フロントゾーンにはアタックラインが含まれ、サイドラインの外にも延びます。
慌てた場面では、位置に応じてアンダーハンドでつなぐ、別の選手に任せるという道もあります。フロントゾーンの外からのオーバーハンドパスには、このリベロ特有の制限はかかりません。後衛アタックなど、別の規則はそのまま残ります。
もう一つ。規則14.4では、ブロックの接触をチームの3回に数えず、触れた本人も次の1本目を扱えます。『ワンタッチ、あと2回!』と急ぐ前に、その接触が規則上のブロックかを見ます。ネット際で触れた球が、すべてブロックになるとは限りません。
出典:FIVB Official Volleyball Rules 2025–2028:7.4–7.6、13.3.3、14.4、19.3.1(位置・後衛の攻撃・ブロック接触・リベロ) ↗
守備は一本の線。サーブから、次の攻撃までを5段階でつなぐ
ブロックとディグだけを切り取ると、なぜ2枚がそろったのか、なぜ1枚だったのかが消えます。自分たちのサーブから次の攻撃まで、同じラリーを五つに分けると、直す場所が見つかりやすくなります。以下は因果関係を考える順番で、すべてが狙いどおりになるという意味ではありません。
- 1|サーブ:相手の1本目を動かす
- ねらう場所と強さを共有。相手の返球が崩れても、サイドだけと決めつけず、セッターが使える候補を見ます。
- 2|相手の1本目:攻撃候補を更新
- 良い返球なら中央、左右、後衛まで候補が広がります。ネットから離れれば候補は減りますが、高いレフトだけに決まるとは限りません。
- 3|ブロック:予定より実際の手を伝える
- ライン・クロス、1枚・2枚、隙間ありを短く共有。後ろは作戦名ではなく、実際にできた壁へ合わせます。
- 4|ディグ:次の人が触れる球にする
- 完璧にセッターへ返らなくても、味方が2本目を扱える高さと自陣の余裕を作ればラリーは続きます。強打ではまず上へ残す選択もあります。
- 5|切り替え:拾った人以外が先に動く
- だれが2本目かを声で決め、ブロッカーは着地後に助走へ、ほかの選手は攻撃とカバーへ。触らなかった人ほど次の準備を早く始められます。
出典:USA Volleyball — Defense is More Than Just Another Team System ↗
弱い返球にも全員で跳ぶ? ダウンボールは『次の攻撃の始まり』
相手が強く打てず、立ったまま山なりに返すようなダウンボールでは、強打と同じ最大ブロックが必要とは限りません。球の高さと相手の打点を読み、ブロックへ跳ばない選手が早く下がって1本目を整える選択もあります。
見た目が弱そうでも、ネット際から速く打ち込める球、ジャンプして強く打てる球、ツーは残ります。実際の危険を見ながら、だれが跳ばず、だれを次の攻撃役として残すかを決めます。
- フリーボールとの違い
- フリーボールは、相手が攻撃として強く打たず返してくる球を広く指す言い方。ダウンボールは、ジャンプせず立った状態などからコントロールして打つ返球を指すことがあります。現場で呼び方が違うため、球の質を見ます。
- 1本目の目標
- 『簡単だからネットぎりぎり』にせず、セッターと攻撃役が次へ動ける場所へ。誰が受けるかを早めに呼び、ほかの人は助走の準備をします。
- 練習で見る数字
- 直接止めた本数だけでなく、ブロックに触れて味方がつなげた本数、ダウンボールから3回で攻撃できた本数も数えると、守備と攻撃の接続が見えます。
出典:USA Volleyball — Top Five Ways to Create Confidence in Your Teammates(ダウンボールからの切り替え) ↗
セルジオが見せた、拾わなかった後の仕事
リベロの見せ場は、飛び込んで拾う瞬間だけではありません。USA Volleyballの指導記事は、ブラジルのリベロ、セルジオが、セッターのディグ後に2本目を上げて攻撃を組み立てた姿を紹介しています。守備専門の選手が、次の攻撃の始まりも支えていたのです。
ここで紹介するのは公式指導記事に記された事例で、特定の大会・得点場面や映像の時刻は特定していません。『この守備位置なら同じプレーができる』という再現図でもありません。持ち帰りたいのは、自分が1本目を触らなかった瞬間にも仕事が続くという視点です。
セッターが1本目を拾ったら、次はリベロを追ってみてください。2本目へ近づくのか、ほかの人へ任せてカバーに入るのか。ボールに触れなくても、味方を動かす準備がそこにあります。
出典:USA Volleyball — How You Can Make a Huge Impact as a Libero ↗
『リベロが拾えなかった』で終わらせない、失点の点検
最後に近くにいた人だけを責めても、失点の始まりは見えません。何でも連係のせいにすれば、今度は個人の一歩が消えます。前提、分担、最後の動作を分け、次の一本で変えることを一つだけ選びます。
- 何度も二人の間へ落ちる
- 打たれる直前の二人の位置と、どちらが優先する約束だったかを見る。『声を出そう』だけでなく、『この短い球はF、深い球はL』など、範囲と合図を具体化します。
- 前へ走った直後、頭上を抜かれる
- トスの乱れだけでフェイントを決め打ちしていないかを見る。次は移動の途中でも姿勢を整え、強打と短い球の両方へ動ける余地を残します。
- 2枚なのに同じ隙間を抜かれる
- 後衛を動かす前に、基準の手の位置、合流の時刻、隙間を点検。直せない条件なら、後ろの分担も合わせて変更します。
- 拾えるが、球がすぐ相手へ返る
- 位置だけでなく、接触時の姿勢と返す先を見る。厳しい球ではネットへ近づけすぎず、次の人が触れる高さと自陣側の余裕を優先する選択もあります。
- セッターが拾うと、その後が止まる
- 2本目の担当と、その人が間に合わないときの代役を確認。リベロが拾った場合までリベロに次も任せるのではなく、最初に触った人に応じて役割を渡します。
- 小学生のチームで図どおり守れない
- ブロックの高さ、打球の速さ、動ける範囲が違えば、必要な配置も変わります。前が十分にコースを狭められないなら、後ろが広い打球範囲へ備える。大人の配置を縮めるだけにはしません。
出典:USA Volleyball — Five Tips For Better Backcourt Defense(2018年の指導記事) ↗
一度に全部を直さない。6つの症状から、次の一つを選ぶ
映像を見返すと、ブロックの手、後衛の位置、声、姿勢、2本目まで、直したい場所がたくさん見えます。しかし一度に五つ変えると、次の得点・失点が何によって変わったのか分からなくなります。まず近い条件の3本をそろえ、次の1本で変えることを一つにします。
下の逆引きは、個人を評価する診断ではありません。事実をそろえ、考えられる原因を複数残し、チームで試す小さな変更へ進むためのZEROの教材です。結果が良くても、別の場所を大きく空けたなら成功と決めません。
ONE-CHANGE REPAIR LAB
起きたことから選び、次の3本で直す一つを決める
6つの症状を順番に比べられます。
同じ境目へ、2本続けて落ちた
事実をそろえるまず、打者・トス・ブロックが近い条件だったかを確認します。違う条件なら、同じ原因としてまとめません。
映像・コートで見る3点
- どちらが短い球、どちらが深い球を優先する約束だった?
- 打たれる瞬間、二人とも同じ方向へ動いていなかった?
- ブロックの手の間や接触で、予定と違う道ができなかった?
次の1本で変えること
次の1本だけ、境目の優先者を名前ではなく範囲で決める。例:『短い中央はF、深い中央はL』。
ライン側を、同じ打者に続けて使われた
事実をそろえる後衛が遅いと決める前に、ブロックが本当にラインを狭めていたか、手の外・上・接触後のどこを通ったかを見ます。
映像・コートで見る3点
- ブロッカーの基準の手はサイドライン側へ届いていた?
- 後衛は『任せる』つもりで、完全に担当を消していなかった?
- トスが内・外へ変わり、同じラインでも打つ角度が変わっていない?
次の1本で変えること
前で狭め直すか、後ろで残すかを一つ選ぶ。両方を同時に大きく動かさず、次の3本で変化を比べます。
強打を待つ後ろの前へ、短い球が落ち続けた
事実をそろえる『もっと前へ』だけでは、次の深い球が抜けます。短い球を担当する前衛・後衛の境目を先に確認します。
映像・コートで見る3点
- 跳ばない前衛はブロッカーの着地を避けながら動けた?
- トスの乱れだけで全員が前へ決め打ちしていない?
- 打者の助走速度・腕の振りから、最後まで強打も残していた?
次の1本で変えること
短い球の第一担当を一人決め、後ろの二人は深さを保つ。担当が倒れた時の『代わる』の声も一つ決めます。
ブロックに触れた瞬間、全員が球を見失う
事実をそろえるワンタッチ後は軌道が変わり、予定の守備位置だけでは届きません。ブロック接触後も最大3回で返せるため、声と最初の一歩が重要です。
映像・コートで見る3点
- ブロッカーが『ワン』などチームの合図を出した?
- 後ろの選手は打者だけでなく、手に当たった後の球へ予想を捨てた?
- ブロッカー本人も着地後の1本目へ参加できる空間があった?
次の1本で変えること
次の練習3本は、必ず弱いワンタッチを作り、接触した人が声、最も近い人が1本目、残りが2本目と攻撃準備へ。
相手のサイド攻撃へ、毎回1枚しか間に合わない
事実をそろえる1枚自体を失敗と決めません。相手の中央を優先した結果か、サーブと1本目から遅れているか、横移動の基準が曖昧かを分けます。
映像・コートで見る3点
- 相手の1本目が良く、中央を最後まで見る必要があった?
- サーブで相手の攻撃候補を減らす狙いとブロックがつながっていた?
- 中央ブロッカーはトスを見る前に打者だけを追っていなかった?
次の1本で変えること
次の3本は『中央をいつまで見るか』だけを合わせる。外へ寄る速さと、後ろが1枚前提で守る範囲を同時に確認します。
ディグは上がるのに、相手へ返すだけになる
事実をそろえるディグした人だけでなく、触らなかった5人の切り替えを見ます。返球位置が完璧でなくても、早い役割移動で一本の攻撃は残せます。
映像・コートで見る3点
- セッターが拾った時の2本目担当は決まっていた?
- ブロッカーは着地後、助走へ離れる前に球を見続けていなかった?
- 高く外へ上げる安全な候補を全員が共有していた?
次の1本で変えること
次の練習は『ディグ成功』では得点にせず、3回で助走した攻撃までつながったら1点。2本目担当の声を先に評価します。
これは診断名や個人評価ではなく、チームで会話を始めるためのZEROの学習例です。原因を一つに断定せず、同じ条件の3本で変化を確かめます。
出典:USA Volleyball — Silence Is Not Always Golden(守備中に伝える情報) ↗
タイムアウトは30秒。『事実→一つの約束→次の確認』に絞る
FIVB Level II Coaches Manualは、タイムアウトが30秒であることを踏まえ、指示を建設的かつ簡潔にし、誤りの出所を準備したメモから伝える考え方を示しています。30秒で新しい守備システムを全部教えるのではなく、コートへ戻った直後の一球をそろえます。
責める言葉は情報を増やしません。『もっと拾って』ではなく、見えた事実、次の担当、確かめる球を短くします。子ども同士で話す場合も、聞こえなかった意図や見えない原因を決めつけず、選手の名前より場所と役割で伝えます。
- 0〜8秒|見えた事実
- 『同じローテーションで、左から深いラインへ2本。ブロックは1枚だった』。結果ではなく、同じ条件かをそろえます。
- 8〜18秒|変える一つ
- 『次の3本は、外の手をライン基準。右後ろは完全に消さず深さを残す』。前後の担当を一組で伝えます。
- 18〜25秒|例外
- 『中央が使える良い1本目なら、先に中央を見る』。変更をいつでも続けるのではなく、元へ戻す条件も一言にします。
- 25〜30秒|次の確認
- 『触れたかだけでなく、狙った道へ打たせたかをベンチも見る』。次のタイムアウトまで放置せず、3本で更新します。
拾った、その先へ。『次に何ができたか』でディグを見る
『セッターの頭へ返ったか』だけでディグを測ると、強打を上へ残した大事な一本が消えてしまいます。ここでは、次のプレーに何が残ったかを三段階で見ます。チームにA・B・Cなどの評価があれば、その定義で読み替えてください。
- 攻撃を選べた
- 決まった2本目の担当が入り、複数の攻撃候補が助走できた。返球位置だけでなく、拾わなかった選手の切り替えも含めて評価します。
- 一本の攻撃へつなげた
- 選択肢は少なくても、味方が安全に上げ、助走して返せた。苦しい球から高く外へ上げることも、状況に合う前進です。
- まずラリーを残した
- 片手や体に当ててでも次の人が触れた。ネットへ近すぎる球や相手へ直接返る球なら、次は高さと自陣側の余裕を一つ改善します。
- 数字に表れない準備
- ブロッカーが着地後すぐ助走へ離れた、リベロが2本目へ動いた、ほかの人がカバーへ入った。ボールに触れなかった動きも映像で追います。
3ラリーだけ記録する。相手の得意を『印象』から『仮説』へ
『クロスばかりだった気がする』を確かめるため、下の9分割コートに、相手の攻撃を自分たちが最初に触った場所、または床へ落ちた場所を記録できます。打った場所、ブロック枚数、最初の結果も固定の選択肢で添えられます。分からない項目は推測せず『不明』のままで大丈夫です。
3本で相手の傾向を断定はできません。打者、ローテーション、トス、得点差が違えば別の条件です。記録が一か所へ集まったら『そこを狙っている』と決めるのではなく、直近3本の条件を読み、次の3本で同じ条件か、ブロックがその道を残したかを確かめます。USA Volleyballの対戦分析記事でも、ローテーションごとのショットチャートと、情報を増やしすぎないことの両方が説明されています。
THREE-RALLY ATTACK MAP
ボールを触った・落ちた場所を押す
0 本
今の条件:打つ場所 不明/ブロック 不明/結果 不明
ネット側 / 自分たちの後ろから見る
エンドライン側
直近3本
- まだ記録はありません。
まず3ラリーだけ、ボールが触れた場所を記録してみよう。
場所と条件の記録はこのブラウザの中だけに保存します。どのマスを押したかはZEROへ送信しません。選手名やチーム名は入力できません。
出典:USA Volleyball — Five Keys to Scouting Your Opponent(ローテーション別の傾向) ↗
練習は『形を覚える』から『読んで変える』へ。3段階で試合に近づける
同じ場所へ球を投げ続けるだけでは、試合で必要な相手の1本目・トス・打者を読む時間が消えます。一方、最初から6対6の強打だけにすると、なぜ拾えなかったかを整理できません。安全な速度から始め、選択肢と得点条件を一つずつ増やします。
USA Volleyballの練習設計記事は、試合に近い統合練習と、目的に合わせた得点方法を紹介しています。守備だけを切り離さず、ブロック、ディグ、2本目、攻撃までを一本のラリーとして練習します。
- LEVEL 1|4人・合図をそろえる
- 攻撃1、ブロック1、床の守備2。弱い球をライン・クロス・短い場所へ送り、前が狭める方向と後ろの担当を声にする。最初は跳ばず、着地と移動空間を確認。
- LEVEL 2|選択肢を二つにする
- 攻撃役は強いコースと短い球の二択。守備側は3回で返せたら1点、ブロックと床の担当が重ならず攻撃までつないだらもう1点。球速より判断を競う。
- LEVEL 3|サーブから6対6
- サーブから開始し、相手の1本目で攻撃候補を更新。守備から助走した攻撃までできたら2点。3本ごとに9分割コートを見て、変えることを一つだけ相談する。
- 終了条件を先に決める
- 時間で終えるだけでなく、『同じ約束で3本連続、役割が重ならず次の攻撃へ進む』など、学びたい動作を終了条件にする。疲労や安全を優先し、無理な飛び込み・接触を評価しない。
出典:USA Volleyball — How To Make Drills That Work(試合に近い統合練習) ↗
PAUSE & THINK
自分ならどこを守る? 4つの判断レッスン
ZEROが作成した学習用の場面です。全チーム共通の正解を当てる問題ではありません。条件と担当を見て一つ選び、ほかの選択なら何が変わるかも比べてください。
CASE 01
2枚の予定だったのに、手の間が空いた
あなたは中央後方の守備者。ライン側を狭める約束ですが、中央ブロッカーの合流が遅れています。リベロはクロス側、跳ばない前衛は短い球の担当です。
- 2人がいることと、手がそろうことは別
- 中央の隙間から打者が見える
- 打たれるまでの移動時間は短い
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
隙間のコースへ小さく調整し、構えるこの条件では有力
予定していた2枚ではなく、実際に残った道を基準にします。大きく走りすぎず、届く範囲で隙間に備える。深い球は、隣の選手との分担を残します。
リベロの隣へ大きく寄る守備が重なるおそれ
クロスを二人で厚くしたい場合もありますが、今回はリベロがそこを担当し、中央に隙間があります。根拠なく同じ場所へ寄ると、残ったコースや深い球が空きます。
2枚いるので、ブロックの後ろで待つ人数だけでは決められない
ブロックで隠れる場所にも担当は必要ですが、この場面では手の間が空いています。『2枚なら止まる』を前提にせず、実際の手と打者が見えるかを確かめます。
CASE 02
トスがネットから離れた。すぐ前へ出る?
あなたはクロス側のリベロ。相手のトスはネットから離れましたが、打者は助走に入っています。短い球には、跳ばない前衛が備えています。
- 離れたトスでも強打は可能
- 短い球の担当がすでにいる
- 打者の最後の動作はまだ見えていない
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
担当の強打に構え、最後の動きを読むこの分担なら有力
短い球を無視せず、前衛に任せる範囲を確認しながら強打に備えます。打者の動作や実際の球が変われば対応。トスの距離だけで前後を決めないのがポイントです。
フェイントと決めて前衛の横へ走る深い球への危険が増える
前に出る根拠が追加されたり、前衛が間に合わなかったりすれば候補になります。でも今の条件だけでは、担当が重なり、後ろを空ける可能性があります。
どんな球でも一歩も動かない構えることと固まることは違う
打たれる瞬間にバランスを作るのは、次へ動くためです。短い球が担当範囲に来たら追います。『強打優先』は、ほかの球に触らなくてよい約束ではありません。
CASE 03
セッターが拾い、2本目が前のリベロへ来た
あなたはリベロ。セッターが1本目を拾い、ボールはフロントゾーン内のあなたへ。足は床についた状態で、近くの前衛もつなげる距離にいます。味方は高い打点から攻撃する準備中です。
- 2本目の担当を声で知らせる必要がある
- 今はフロントゾーン内
- 味方が打つとき、球全体がネット上端より高くなる想定
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
声を出してアンダーハンドでつなぐ規則と状況に合う候補
この方法には、前のゾーンからのリベロの指を使ったオーバーハンドパスに関する制限はかかりません。無理な精度より、味方が届く高さと距離を選びます。ほかの競技規則は別に守ります。
間に合う前衛へ、声を出して任せるこれも候補
近くの味方の方が安定して上げられるなら、担当を渡せます。二人が同時に触りに行かず、任せた側は助走の邪魔を避けてカバーへ。リベロが必ず2本目を取る決まりではありません。
その場から指で上げ、通常どおり高く打たせるその攻撃には制限がかかる
この条件では、味方は球全体がネット上端より高い位置でアタックヒットを完了できません。トス自体を直ちに反則と呼ぶのではなく、その後の攻撃まで含めて判断します。
CASE 04
相手セッターが前衛。1本目がネット際へ返った
あなたは短い球も見る後衛。相手セッターは前衛で、1本目がネット近くへ返りました。左の打者は助走中ですが、セッター自身も2本目で返せる位置です。味方ブロッカーは左の打者へ動き始めています。
- 前衛セッターはネット際の2本目も攻撃の候補
- 左の打者へのトスはまだ出ていない
- 後衛全員が前へ出ると深い球が空く
選択肢を一つ選び、考え方を比べてみよう。何度でも選び直せます。
セッターと打者を見える位置で待ち、短い球の担当を呼ぶこの条件では有力
ツーへ備えながら、トスが出れば実際のブロックと打者へ読みを移せます。短い球を自分が見るのか前衛が見るのかを声にし、全員で同じ場所へ走らないようにします。
左へのトスと決め、すぐ深いクロスへ走るまだ選択肢を消せない
相手の傾向や返球位置から左が非常に濃い場合は早い準備が助けになりますが、今はセッターの2本目も残っています。決め打ちするなら、短い中央を誰が引き受けるかまで必要です。
全員でネット際へ詰める後ろと境目が空く
短い球を厚くできますが、セッターが外へ上げた後の強打や深い押し込みへ戻りにくくなります。一人が短い球を優先し、残りは次の攻撃候補へ備える方が役割を説明できます。
WATCH → NOTICE → READ AGAIN
同じラリーを、今度は守る側から見る
前回のセッター記事と同じ、Volleyball World公式のスロベニア対日本ハイライトです。ここでは山内の速攻に対する手の間隔を観察します。上の図はサイド攻撃の学習例で、この中央攻撃や後衛の配置を再現したものではありません。
Volleyball World 公式ハイライト
YouTubeで見る ↗再生するまでYouTubeプレーヤーは読み込みません。
投稿元:Volleyball World ↗ / 映像確認 2026-09-05
各時間は広告を除く動画本編の目安です。映像の再編集・転載はせず、公式プレーヤーで再生します。地域・端末・公開状態によって再生できない場合は、YouTubeのリンクをお試しください。動画を見なくても、以下の観察メモと本文で学べます。
OBSERVATION 01 / 0:19–0:30
山内のクイック:2人いることと、手がそろうことは同じ?
見るのはここ1回目は相手側の前衛。2回目は26秒前後の正面リプレーで、2人の手の間隔を見る。
- 映像・公式記事で確認したこと
- 第1セット、日本が0–1の場面で山内晶大が速攻に入ります。正面リプレーでは相手2人が手を上げています。JVAの試合レポートでも、日本の最初の得点が山内のクイックだったことを確認できます。
- そこから試してほしい見方
- 2人という人数に加え、手の間隔、打者に対する位置、打点を分けて見ます。『後ろが拾えなかった』と評価する前に、前をどのように通り得たかを見るための題材です。
- この場面だけでは分からないこと
- この短い画角から、全員の守備分担や視線、接触の細部まで確定しません。特定の後衛が悪かった、隙間だけが得点原因だったとは断定できません。6人の配置全体を学ぶ映像例ではなく、ブロックを人数だけで見ないための比較例です。
試合でやってみよう
15分だけ、『拾った』の先までを一つのラリーにする
次の練習で
ZEROの学習用練習案です。最初の5分は4人で跳ばず、前が狭める方向と後ろの担当を声にします。次の5分は攻撃役が強いコース・短い球を選び、守備側は3回で返せたら1点。最後の5分はサーブや1本目の代わりになる球から始め、ディグ後に助走した攻撃までできたら2点です。3本ごとに変えることは一つだけ。安全な球速から始め、着地場所、ネット下への進入、疲労を優先し、無理な飛び込みや接触を成功として評価しません。
試合を見るとき
同じラリーを3回見ると、見る対象を分けられます。1回目は攻撃の出発点とトス。2回目はブロックの手と後ろの位置。3回目は1本目の後にだれが2本目へ動いたか。公式映像でも、画面外の選手や隠れた接触は『不明』と残します。
次の試合に持っていく
次の試合に持っていく、守備の観察メモ
1セット全部を記録する必要はありません。まず3ラリーだけ、同じ順番で。メモは手元へ残し、このページに入力する必要はありません。
-
相手の条件
どこから打った? トスはネットに近い・離れた? 中央など別の候補もあった?
-
前の形
何人が間に合った? 手の隙間は? ライン・クロスのどちらを狭めて見える? 意図は断定しない。
-
後ろの分担
リベロはどこ? 短い球はだれが備えた? 触れなかった選手が空けなかった場所は?
-
次の一球
拾えたかだけでなく、だれが2本目へ動いた? 次の人が触れる球になった?
失点した一本だけで上手い・下手を決めない。同じ条件を見比べ、違ったところを一つ見つける。見えなかった接触や、聞こえないチームの約束は『不明』で大丈夫です。
迷ったときに
よくある疑問
リベロは必ず左後ろに立ちますか?
いいえ。中央後方などを担当するチームもあり、相手の攻撃とブロックの方針に合わせて変わります。図は左後ろの担当例で、公式規則で指定された守備位置ではありません。
ストレートとクロス、どちらをブロックすればいい?
相手の得意な攻撃、打点、トス、味方の守備力で選びます。どちらかを一律に正解とせず、狭める側と残る側を6人で共有します。
ブロックの影には立ってはいけない?
絶対に入らない区域ではありません。打者が見え、担当の球へ動ける位置が大切です。手の隙間、フェイント、接触後の落下にも備えるため、影の中を全部空けるわけではありません。
1枚ブロックになったら、リベロが全部拾う?
いいえ。残る強打コースが広がるので、ブロックの優先コースと床を守る人をそろえます。間に合わなかった前衛にも、着地を守り、次の球へ備える仕事があります。
フェイントはだれが拾いますか?
跳ばない前衛が担当する例も、後衛が前へ入る例もあります。打つ場所と短い球の落下位置で分担を決めます。リベロ固定にも、いちばん近い人という曖昧な約束だけにもしません。
ワンタッチの後は、あと何回触れますか?
ブロックとしての接触なら、その後に最大3回で返せます。ブロックした本人も次の1本目に触れられます。ネット際の接触すべてがブロックに当たるわけではない点に注意してください。
リベロが前でオーバートスをしただけで反則?
それだけで直ちに反則ではありません。フロントゾーン内から指を使ったオーバーハンドパスを上げた場合、味方は球全体がネット上端より高い状態でアタックヒットを完了できない、という制限です。
打つ瞬間に止まるのは、棒立ちになること?
違います。逆方向へも動けるバランスを整えることです。USA Volleyball掲載の2014年の助言でも、Erik Shojiは相手の打球時に体勢を安定させる重要性を説明しています。球が来たら、その構えから反応します。
ブロックが低いチームでも同じ配置でいい?
そのまま使うとは限りません。前で狭められるコースが少なければ、後ろの備えも変わります。年代や選手の動ける範囲に合わせ、まず強打と短い球の分担から確認してください。
ペリメーターとローテーション、どちらが正解?
全チーム共通の正解はありません。深い強打、短い球、ブロックの隙間を誰が優先するかを、選手の特徴と相手に合わせます。同じ呼び名でも、担当まで聞くと約束が伝わります。
相手セッターが前衛だと、守備は何が変わる?
ネット際の2本目をセッター自身が返す選択肢も見ます。ほかの打者へのトスと同時に備え、短い中央を誰が担当するかを共有します。前衛だから必ずツーをする、という意味ではありません。
ダウンボールにもブロックは必要?
球の高さと、相手が打てる強さで変わります。強打にならない返球なら、跳ばずに1本目と次の攻撃を準備する。見た目だけで弱い球と決めず、ネット際の速い返球やツーは残しておきます。
9分割コートでは、どの場所を押す?
相手の攻撃を自分たちが最初に触った場所、または床へ落ちた場所を押します。ブロックで相手コートへ戻った球、画面外で場所が分からない球は推測して押しません。まず条件が近い3ラリーを比べます。
P1やP6は背番号ですか?
いいえ。ローテーション上のコート位置です。P4・P3・P2が前衛、P5・P6・P1が後衛で、選手の背番号とは別です。サーブ後の実際の守備位置も、番号だけでは決まりません。
サーブ後に前へ動けば、後衛の選手も前衛になりますか?
なりません。サーブ後はコート内を動けますが、そのラリー中の前衛・後衛の資格はローテーションに基づきます。後衛選手の攻撃やブロックには別の制限があります。
タイムアウトでは何を伝えればいい?
同じ条件で起きた事実、次の一球で変える役割、元へ戻す例外、3本後に見ることの順で短くします。『もっと拾って』のような結果だけでなく、前後の担当を一つそろえます。
ZEROで実際に見てみよう
動きを知ったら、バレーの記録へ
次に学ぶ
同じ競技のやさしい解説
公式資料・出典
確認した一次情報
- FIVB Official Volleyball Rules 2025–2028:7.4–7.6、13.3.3、14.4、19.3.1(位置・後衛の攻撃・ブロック接触・リベロ) ↗
- USA Volleyball — Defense is More Than Just Another Team System ↗
- USA Volleyball — So You Want to be a Great Defender?! Learn to Read the Hitter!! ↗
- USA Volleyball — Five Tips For Better Backcourt Defense(2018年の指導記事) ↗
- USA Volleyball — Five Keys to Making More Digs(2014年、Erik Shojiらの助言) ↗
- USA Volleyball — How You Can Make a Huge Impact as a Libero ↗
- USA Volleyball — Five Things You Shouldn't Do on a Volleyball Court(ブロック後方での読み) ↗
- USA Volleyball — Opponent Analysis and Scouting Reports(ショットチャート) ↗
- USA Volleyball — Top Five Ways to Create Confidence in Your Teammates(ダウンボールからの切り替え) ↗
- USA Volleyball — Tips from the Pros(ディグ後のトランジション) ↗
- USA Volleyball — Five Keys to Scouting Your Opponent(ローテーション別の傾向) ↗
- FIVB Level II Coaches Manual(トランジションとタイムアウト) ↗
- USA Volleyball — How To Make Drills That Work(試合に近い統合練習) ↗
- USA Volleyball — Silence Is Not Always Golden(守備中に伝える情報) ↗
- Volleyball World — スロベニア対日本の公式ハイライト ↗
- JVA — 2026年6月14日の試合レポート ↗
最終確認日: 2026-09-05。 この記事は公式規則・公式指導資料を基に、代表的な動きをやさしく整理したものです。実際の担当は指導者の方針、チームの約束、大会規定を優先してください。