走高跳は同じ高さでも順位が違う?東京の金メダル2人を記録から読む
バーは同じ2m37。それでも、記録の横の○と×まで見ると順位の理由が分かります。走高跳は最高の高さが並んだら、その高さの試技数、そこまでの失敗数で比べます。東京大会のバルシムとタンベリはそこでも同じで、1位を決める追加の跳躍を行わず、金メダルを分け合いました。
2.37m
東京大会で2人の優勝者が越えた高さ
こんな場面から
同じ高さを越えた二人でも、一回目の成功と二回目の成功では順位が分かれます。
高さの横の成功・失敗まで見て、走高跳の順位を読みたい人へ。
○は成功、×は失敗、−はパス。東京の実記録と架空の比較を分けて読みます。
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記録からわかること
走高跳の順位は高さだけでは決まりません。東京2020のバルシムとタンベリの公式記録から、試技数・失敗数・ジャンプオフの順番を、架空の比較例と一緒に読み解きます。
読み方
- まず最高の高さ。並んだら、その高さを越えるまでの試技数を比べる。
- そこも同じなら、最後に越えた高さまでの失敗総数を見る。跳んだ総回数ではない。
- それでも1位が同じならジャンプオフが原則。実施されない場合は同順位が残る。大会規定も確認する。
数字をもう一歩読む
2.37m
二人の最後の成功
東京大会の両選手は、この高さまで失敗なし。
O / X / −
記録表の三つの印
成功・失敗・パスを見分ける。パスは失敗ではない。
1回
ジャンプオフの各高さ
通常の試技と異なり、同点決着では各高さで一回ずつ跳ぶ。
この数字から見えてくること
まず分かる:2m37の向こうに、もう一つ記録がある
2021年8月1日、東京2020大会の男子走高跳決勝。カタールのムタズ・エサ・バルシムと、イタリアのジャンマルコ・タンベリは、ともに2m37まで一度も失敗しませんでした。二人とも2m39では3回失敗。その後、追加の跳躍を行わず、二人の優勝が決まりました。開催は2021年ですが、大会名は東京2020です。
この結末を「仲がよかったから同じ順位になれた」で終えると、競技の大事な部分が抜けます。まず記録上の同成績があり、その先で跳び続けない選択があった。抱き合う場面の前に残された成功と失敗も、二人が金メダルへ届いた道です。
記録を追う:○、×、−を一列ずつ読む
記録表の○は成功、×は失敗、−はその試技をパスした印です。例えば「×○」なら1回失敗して2回目に成功。「−」は失敗を一つ増やす印ではありません。映像で跳躍だけを見ると通り過ぎてしまう判断が、表には残ります。
東京の二人は開始した高さが違いました。タンベリは2m19から、バルシムは2m24から跳び、2m37までに成功した高さの数も違います。それでも成功回数の少なさでバルシムが勝つわけではありません。順位判定で比べるのは、まず最後に越えた高さの試技数です。
基礎:同じ高さを、何回目に越えたか
ここからは仕組みを確かめる架空の例です。AもBも最高記録が2m20。Aが2m20を「○」、Bが「×○」で越えたなら、Aが上位です。Bがそれより低い高さをすべて一発で越えていても、この最初の比較を飛び越して逆転しません。
次にAもBも2m20を「○」で越えていたら、2m20までの失敗総数へ進みます。Aがその前に1回、Bが2回失敗していればAが上位。最後まで跳んだ全試技の数ではなく、最後に成功した高さまでが比較範囲です。
応用:2m39の失敗を足せば、順位が変わる?
東京の二人は最高成功高が2m37で、その高さも1回で成功し、そこまでの失敗は0。後の2m39の「×××」は、2m37までの失敗総数へ足しません。最後の失敗だけを数えても、それ以前の並び方は説明できないのです。
走高跳では通常、3回連続の失敗で以後跳べなくなります。高さを変えたりパスしたりしても、連続失敗が自動的にゼロへ戻るわけではありません。順位を比べる失敗数と、競技を続けられるかを決める連続失敗は、別の目的の数です。
応用:同成績なら、毎回金メダルが2個になる?
2026年版World Athletics規則TR26.8では、試技数と失敗総数でも同じで、1位を争う場合はジャンプオフが原則です。大会規定や技術代表等による別の決定、当該選手がそれ以上跳ばないと決める場合など、実施されなければ1位の同順位が残ります。2位以下の同成績は、この1位の追加跳躍で無理に分ける扱いではありません。
ジャンプオフは各高さで一人1回ずつ。通常の3回の試技をもう一巡するものではありません。東京では行われなかった、という事実と、いつでも二人で優勝を選べる、という言い換えは別です。そもそも高さや失敗数で順位が決まっていれば、同成績の条件に入りません。
次の試合では、一人の「二回目」を追う
次に走高跳を見るときは、一人を選び、成功高の横に○と×をメモしてみてください。二回目で越えた安堵と、一回目で越えた優位が、同じ高さの中に共存します。アジア大会など別の大会を見るときも、速報の「2m○○」だけでなく試技表を開くと、順位が動く前の緊張が見えてきます。
ここでの試技例は規則を読むための架空例で、跳び方の練習指導ではありません。2021年の東京の結果は当時の公式記録・報告で、現行の一般的な判定順は2026年版規則で確認しました。次に見る大会の個別規定・競技結果は、その大会の公式案内を読みます。
データで確かめる
| 選手 | 最高成功高 | その高さの試技 | そこまでの失敗 | 次の2m39 |
|---|---|---|---|---|
| バルシム | 2m37 | ○(1回目) | 0 | ××× |
| タンベリ | 2m37 | ○(1回目) | 0 | ××× |
同じ2m20でも順位が違う架空例:左から順に比べる
| 比較 | A | B | 判定 |
|---|---|---|---|
| 2m20の試技が違う | ○ | ×○ | Aが上位 |
| 2m20は両者○、そこまでの失敗数が違う | 1回 | 2回 | Aが上位 |
| 高さ・試技数・失敗数すべて同じ | 同じ | 同じ | 同成績。1位なら大会規定とジャンプオフの扱いへ |
FROM STORY TO RECORD
記事の数字を、実際の記録で見る
記事で気になった競技・チーム・年度を、ZEROの記録ページでさらに確かめられます。
NEXT DISCOVERY
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